喊声

喊声 9月号

 今夏、人生で初めて広島を訪れた。原爆ドーム、広島平和記念資料館を巡り、原爆の悲痛さに息をのんだことは言うまでもないが、ほかにも驚いたことがある▼それは外国人観光客の熱心さである。全観光客の3割はいたであろうか。それほどまでに多くの外国人が音声ガイドに従いながら、一つ一つ丁寧に見学していた。一方日本人はといえば、展示を一目見るや否や足早に去っていく▼夏目漱石の著書「虞美人草」には「色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず」という一説がある。物事の表層のみを見て、本質をとらえないという意味だ。うわべのみを気にする人が多いように感じる▼他人からどう思われるかばかりを気にし、よく思われたいがために、体裁のよい言葉を並べたて、顔色を伺う▼最近TwitterやFacebookでのトラブルが多発している。自分を格好良く見せたい、リア充をアピールしたい気持ちはよく分かる。だがSNSが不特定多数の人に見られていることを覚えているだろうか。完璧な匿名性などネット上には存在しない。SNS利用時こそ、とことん世間の目を気にできる時間なのである。      (大塚直人)

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