環境広告サステナ代表マエキタミヤコ氏 広告を通してエネルギー問題再考

「原発にも石油石炭天然ガスにも頼らない日本を創ろう」。このキャッチコピーのもと、日本を自然エネルギーに移行するための勉強会「エネシフジャパン」が話題を呼んでいる。4月から8月までに開催された13回のうち、ソフトバンクの孫正義社長や菅直人元首相など著名人も多く参加しているこの試みには、 議員や専門家だけでなくインターネットなどで申し込みをした国民も参加できることが特徴だ。

このエネシフジャパンの呼びかけ人は、慶大の講師も務める環境広告サステナ代表のマエキタミヤコ氏。今回はマエキタ氏にエネルギー問題、広告の持つ力、そして塾生に対するメッセージを伺った。

マエキタ氏は慶大卒業後、電通に入社。その後、環境NGOの広告を手がけるサステナを設立し、環境問題や平和問題に積極的に取り組んでいる。100万人のキャンドルナイトやホワイトバンドなど数々のイベントを発案し、原発事故後は特にエネルギー問題に力を入れている。

人は長い間、電気がない時代を生きていた。彼女の求める社会は、電気を過剰に求めず、最低限必要な電気は自然エネルギーによって賄う社会である。

「そのために広告には何ができるかというと、何もできない。でも、広告=情報の移転という見方に変えれば何でもできる。正確な情報を発信し、何が正しいか正しくないか判断できる土壌をつくることができる」とマエキタ氏。

今、原発の安全神話に対する正確な情報が出揃いつつある。「今度はそれを伝える段階。一枚岩では無くなった多様な情報の流れを世間に知らせ、異なる互いの意見を交換し合えるような状況を生み出す力を広告は持っている」と彼女は語る。

また、莫大な投資によって巨大な広告を作りスピーディーに広めることもできるが、「口コミなど、面白いと感じた人がじわじわ広げていくものには妙な強さがある」と彼女は言う。面白い広告を作ることができれば、受信した人からさらに社会へと情報を広めることができる。

彼女が目指す社会を達成するにはエネルギー問題に詳しく、自分の意見を発信できる学生の「活性化」が不可欠だとマエキタ氏は話す。しかし原発事故後、慶大の講師として教壇に立つ中で塾生があまりにも質問しないことに衝撃を受けた。

「エネシフは自分で判断し、質問もできる『大人』の勉強会です。同じように大学生も『大人』だから受け身ではいけない。聞けば答えてくれる生身の人間との貴重な時間をもっと活用し、質問してほしい」とメッセージを頂いた。

(井上絵梨)