今月8日、法務省司法試験委員会は新司法試験の合格者を発表した。慶大の合格者数は164人、合格率は47・9%でともに昨年度を下回った。大学別合格者数順位では、東大、中大、京大に続き4位。全体での合格者は2063人で昨年度と比べ微減、合格率は過去最低の23・5%で新司法試験導入以来5年連続の低下となった。       (堀内将大)
法務省司法試験委員会は法科大学院修了者を対象とした新司法試験の合格者を発表した。慶大の合格者は昨年度から13人の減少で164人、合格率も2・5ポイント下げて47・9%であった。昨年度は大学院別で合格者数は3位、合格率は1位につけていた慶大であったが、今年度はともに4位にランクダウンと振るわなかった。

全体での合格者は2063人(昨年度2074人)、合格率も23・5%(25・4%)と、昨年度と比べて合格が困難になり、慶大もその影響を受けているようである。合格者数の大学院別トップは5年連続の東大で416人、合格率のトップは一橋大の57・7%だった。

新司法試験は今回で6回目の施行で、受験者は年々増加している。一方で、毎年合格者は2000人前後で停滞しており、政府の法曹人口拡大計画で目標としていた「2010年頃に年間合格者3000人程度」には今年も届かなかった。

合格率が極端に低かった旧司法試験に代わり、新司法試験は合格率7―8割を目指したが、導入初年度48%だった合格率は以降5年連続で低下しており、今年度は過去最低の23・5%にまで落ち込んだ。

また、合格者数上位5校の東大、中大、京大、慶大、早大で全合格者の42%(昨年度40%)を占め、合格率が1桁台の法科大学院が昨年度の17校から28校に増加するなど、大学院間の格差、そしてその固定化が問題視されている。法科大学院では全国初の撤退を決めた姫路獨協大は昨年度に引き続き今年も合格者が出なかった。

さらに、今年度も法学部卒業生中心で2年制の「既習者コース」と他学部卒業生や社会人を対象とする3年制の「未習者コース」間での合格率における格差が浮き彫りになる結果となった。全体での既習者の合格率は35・4%、未習者は16・2%だ。慶大でも既習者の53・3%の合格率に対し、未習者は35%としている。