11月23日、国立競技場で第100 回を記念したラグビー早慶戦が行われた。三田祭期間にもかかわらず競技場には2万人以の観客が詰めかけた。慶應は3つのトライを奪うなど粘りを見せるも19対43で敗戦。選手も観客も熱気のある一戦となった。

 

主将の岡広将さん(総4)は、敗因として「自分たちのスタイルをチーム全員で遂行しきれなかったこと」を挙げた。「この試合に懸けてプランも綿密に考えたのだが」と悔しさを滲ませた。

 

真剣に戦術を確認する慶應蹴球部の選手たち【写真=提供、撮影:田口恭子(慶應ラグビー倶楽部)】

 

例年は秩父宮競技場で開催されてきた早慶戦だが、今大会は国立競技場で行われた。慣れない競技場では広さの面でのやりづらさもあったというが、「国立競技場という舞台で試合をすることは選手にとって良い経験になった」と語る。

 

観客の雰囲気については「早慶戦はどちらの大学の人にとっても特別なもの。それぞれがチーム一丸となって応援する感覚、ラグビー特有のタックルの迫力やスクラムで体を寄せ合って力を合算するところなど、見ていて楽しいものになったのでは」と話す。

 

タックルする姿勢に入る主将の岡広将さん【写真=提供、撮影:田口恭子(慶應ラグビー倶楽部)】

 

岡さんはラグビーの魅力について「様々な体格の選手がいる中で役割分担をし、それぞれがボールを投げる、蹴る、身体を当てるなど選択肢の幅が広い中で役割を全うする部分」だと語る。試合を観に来なかった塾生の中にはラグビーについて詳しくない人もいただろう。選択肢の多い中で自分に振り分けられた役割を全うするというラグビーの魅力を知り、まずは来季の早慶戦に足を運んでみるのはいかがだろうか。

 

試合を終えて「この経験、課題を活かしてまた勝利に近づいていく」と次も見据える。今季見つかった反省を活かす蹴球部。来季早慶戦での躍動に期待だ。

米山友朗