昭和35年三田会大同窓会50年来の旧交温める 卒業後に感じる母校の魅力、伝統、絆

思い出話に花を咲かせる参加者
思い出話に花を咲かせる参加者

 4月2日、入学式を迎えた新入生で溢れ返る日吉キャンパスで、もう一つのイベントが開かれていたことをご存知だろうか。昭和35年三田会大同窓会である。
 入学式には毎年、卒業50年を迎えたOB・OGの方々が招待され、式後には卒業50年塾員招待会が大学主催で行われている。今年卒業50年にあたるのが、昭和35年の卒業生。この年卒業した塾員には、故・橋本龍太郎元首相や、歌手の加山雄三氏がいる。
 大同窓会は各年の三田会が自主的に運営するため、日時や場所はその年によって異なるが、今年は入学式の日に日吉キャンパスで開催されることとなった。
 自発的に発足した実行委員会と塾員センターを中心に、1年前から準備を開始。塾員センターから提供された名簿の情報を正確にすることから着手された。
 努力の甲斐あって、ほとんどの同級生の連絡先を明らかにし、招待状を送付することができたようだ。迎えた当日、あいにく天候は優れなかったが、会員数約2900名のうち約1000人が入学式に列席、大半が大同窓会にも出席するという大規模なイベントとなった。
 開会式では、まず物故者黙祷、続いて清家塾長や安西前塾長も駆けつけ、挨拶を述べた。乾杯の後は思い思いに懇談する様子が伺われた。また、最後には慶大應援指導部によるパフォーマンスで、盛り上がりをみせた。
 慶應義塾評議委員であり実行委員長を務めた川田善朗さん(政卒)は、塾生時代を「当時はかまぼこ校舎で、雨の音や試験監督の足音が響いていた」と懐かしむ。「在学中にいい仲間と巡り合えたことはもちろん、社会に出てからも取引先などで社中の絆を感じる。卒業後に慶應の魅力を改めて感じることも多い」
 「(入学式の様子を見て)今では女子学生も多くなった。日吉駅周辺の開発も急速に進み、まるで浦島太郎になったような気分でした」と、驚きを語ってくれた。
 大同窓会について「旧交を温めるいい機会。最後の大きな集会になるかもしれない」としみじみ話す川田さん。これを機に、個人のつながりが一層深くなればという。
 ノウハウは「引き継ぎ」という形式ではなく、知り合いの先輩や塾員センターを通して「情報交換」されるため、年によってオリジナルな色が見られる大同窓会。今後、卒業50年を迎える卒業生数は学部の増加に伴い増えていく。
 「伝統は守るものではなく、育てるもの。ただ継承するだけでなく、育てていってほしい」と、卒業50年を迎えた先輩方は、いずれは卒業する我々在学生にメッセージを贈る。
        (入澤綾子)