慶大一般選抜の出願が先月19日に締め切られ、今月9日に今年の志願者数が確定した。全体志願者数10学部3656人の募集に対し、前年度比3.3%増の3万7894人で、5年ぶりの増加となった。一般選抜は2月10日の薬学部から始まり、3月1日の医学部第2次試験までの間、計12日間にわたって行われる。

学部別にみると、文系学部では、特に法学部法律学科(前年比15.6%増)、商学部A方式(前年比10.5%増)で大幅な増加傾向が見られた。慶大入学センターは増加の要因について、「昨今の社会情勢の変動により、より安定した職業への就職を見据え、文系では公務員や公認会計士などの資格取得につながる学部を選択する傾向が強まっていると考えられる」と分析する。

理系学部では、医学部(前年比11.2%増)、理工学部(前年比5.3%増)、薬学部薬学科(前年比18.1%増)で、志願者数が増えた。これまで続いていたいわゆる文高理低の傾向から、緩やかな理高文低の傾向への移行が表れている。また、コロナ禍における医療分野への関心の高まりから、医療系の学部の人気が高まっていることも志願者数増加の要因の一つと見られる。

※環境情報学部、経済学部A方式で1名ずつ追加となり、合計が37,894名に変更

18歳人口の減少により、近年、多くの大学で志願者数が減少している。慶大も昨年度までは4年連続で志願者数が減少していた。

今年度、慶大では5年ぶりに志願者が増加した。予備校の情報によると、大学入試全体として併願先を増やす受験生が増えていることや、難関大学へのチャレンジ志向が高まっており、慶大の志願者数にも影響したと考えられる。

全国的な新型コロナウイルス感染症の急拡大が続き、第6波の最中で行われる大学受験。文部科学省のガイドラインや保健管理センターの指導に基づき、最大限の感染症対策を行う。

すべての試験教室における消毒液の設置、換気設備の常時作動、扉や窓の解放など、通常授業時と同様の感染症対策を実施する。さらに、試験終了後は密集回避のため、フロアや教室ごとの退室となる。

粕谷健翔