「コロナうつ」という言葉を聞いたことはあるだろうか。

コロナ禍で、自身が新型コロナウイルスに感染してしまうことへの不安や、オンライン授業が続き、人と会えないことによる孤独を感じる人がいる。これらが原因となってうつ状態に陥ってしまうことを、通称として「コロナうつ」と呼ぶ。

塾生のメンタルヘルスの現状や、気持ちがふさぎこんだ塾生に対するケアについて、慶大の学生相談室のカウンセラーに聞いた。

コロナ禍となって一年以上が経過したが、なお収束の兆しは見えない。このような中で、以前は当たり前だったことや、自分が望んでいたこと、実現できると思っていたことができなくなることがある。こうした状況では、誰もがストレスや不調を感じても不思議はない。コロナ禍による心理的な反応としてのうつ状態に限らず、うつ状態の主な症状は幅広い。意欲の低下や気分の落ち込み、食欲がない、何をしても楽しいと感じないなどの例が挙げられる。寝付きにくい、寝すぎてしまうといった睡眠に現れる症状も見られる。カウンセラーは「眠れない、食欲が出ないといった鬱の症状が2週間ほど続いた場合は、我慢しすぎず、学生相談室や、専門の医療機関などに相談することをお勧めする」と話す。

コロナ禍に限らず、日々のストレスをうまく解消し、メンタルヘルスを維持していくためにできること。それは、自分なりの工夫でストレスを軽減することだ。散歩をする、音楽を聴く、料理をするなど、自分に合った方法を見つけることが肝心だ。学生相談室では、ストレスを理解し、解消するための助けになるコンテンツをホームページ上に掲載しているのでそれを参考にするのもいい。

一方、カウンセラーは「コロナ禍での生活が、必ずしもうつ状態に移行するとは限らない」と指摘する。オンライン授業で、生活習慣が乱れ、調子を崩した人もいれば、時間の使い方の自由度が上がったことで、大きな問題なく過ごしている人もいる。ストレスの受け方や、現実の受け止め方は人それぞれだ。

うつに関する相談だけでなく、どんな相談も受け付けている学生相談室。心理的な不調や、対人関係、自分の性格についての心理的な相談。勉強がうまくいかない、留年するかもしれないといった学業にまつわる相談。自分の適性や進路選択の相談などを多く受けているという。

学生相談室は4キャンパス(日吉・三田・矢上・芝共立)にあり、所属キャンパスにかかわらず利用できる。コロナ禍を機に、電話による相談に加え、Webによる相談も取り入れ、直接来談しなくとも相談することが可能になった。昨年度の秋学期からは、必要に応じて、対面での相談も行っている。

原則として予約制だが、可能であればその場で相談に応じるという。友人や家族と一緒の相談や、曜日によるが、英語でのカウンセリングにも対応している。また、オンラインでのグループ活動なども行っているとのことだ。

「相談することで、新たな視点から自分を見つめるきっかけになることがある。ぜひ気軽に相談に来てほしい」と塾生に呼びかける。一人で悩まず、学生相談室に足を運んでほしい。

学生相談室について、詳しくはホームページをご覧ください。

https://www.students.keio.ac.jp/com/life/consult/counseling-room.html

 

(神谷桃華)