《夏休みのハイライト》

 

連載|14人がオモウコト。
テーマ「夏休み」

 

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夏休みのハイライト

 

私は「夏休み」という言葉の響きが大好きです。なんだかワクワクしませんか?一年間の中で最も自由に過ごすことができて、いろいろなことを経験できる期間だと思います。

みなさんが夏休みという言葉で思い起こす記憶はどのようなものがありますか。夏休みではたくさんのことを学び、経験することができるわけですが、すぐに頭に思い浮かぶ記憶は数少ないのではないでしょうか。そしてそれらの記憶は今後も失われることのない大切な人生のハイライトだと思います。今回は私の夏のハイライトを紹介したいと思います。

私の家族は夏になると父の実家がある山形県に帰省します。ザ・日本の田舎のような場所で、どこを見ても目に入るのは山、山、山。ちょうどお盆の時期に、その町では夏祭りと花火大会が開催されます。私はその夏祭りが大好きです。幼いころは親戚一同からもらったお小遣いをにぎりしめて屋台をまわったものです。

私は宝釣りが大好きでした。簡潔に宝釣りについて説明すると、紐を一本選んで引っ張ると、結び付けられている景品を釣ることができるというものです。いま思えば当たりの景品を釣り上げた記憶はないのですが、目の前の透明な箱の中にある宝の山を見ているだけで楽しかったです。振り返るとお祭りの景品はどれもキッズメニューのおまけのようなもので、とても小さいものでしたが当時の私にとっては宝物でした。

夏祭りの期間中は山車を引き、祭囃子を奏でる人々の行列が町中を練り歩きます。山車は町の地区単位で製作されており、どれも大迫力です。人間の力でこんなに大きいものを動かせるのかと子ども心に思っていました。祭囃子の太鼓や笛の音はお祭りには欠かせません。祭囃子が遠くから聞こえてきたら山車が迫ってきている合図。心を躍らせながら目の前に来るのを待ちます。山車を中心とした行列が町じゅうを祭りの熱気に包み込むのです。屋台を楽しみ、山車を見ているだけで一日があっという間に過ぎていきます。

夏祭りのフィナーレは花火大会です。多くの人が会場である広場に集まります。ここでの花火大会は都心で開催されるような大規模な花火大会とはひと味違います。一発ごとに、協賛している会社と花火の種類を説明してから打ち上がるのでとてもゆっくりしたペースで進んでいきます。打ち上がる花火の種類は実にさまざまでした。4号玉や5号玉といった名前の単発の花火から、スターマインといった一気に大量の玉を連続で打ち上げる花火があります。スターマインのなかにもグレードがあり、すごいものだと「豪華絢爛宇宙パノラマ超デラックススターマイン」といった名前が付けられていました。長い名前の花火ほど華やかな花火であったような気がします。全国規模の大きな花火大会と比べると質素なものですが、一つ一つの花火をじっくり見ることができて私は好きでした。

長々と書きましたが、これが私の夏のハイライトです。夏祭りや花火大会にはもちろん今でも参加できますが、私のハイライトは幼いのころに帰省したときの記憶です。子どもの私にとって、一年で一度の帰省はとても楽しみで強烈なものだったのだと思います。

年齢を重ねて多くのことを経験していくなかで、人生を振り返るタイミングはなかなか訪れないでしょう。現在は新型コロナウイルスの流行があり、思い思いの夏休みを過ごすことが難しいかもしれません。そんなときだからこそ夏休みの、人生のハイライトを掘り起こしてみてはいかかでしょうか。少しだけ温かい気持ちになれるはずです。

明日はリレー連載1回目の最終回。アンカーにバトンをつなぎます。是非お読みください。

 

☆ペンネーム エストイビエン

☆学部学科学年 商学部2年

☆ひとこと ガリガリ君はソーダ味よりコーラ味派