関東大学春季大会Aグループにおいて、本シーズン3連敗中であった慶大蹴球部。

大東文化大戦

9日、同じく勝利をつかめずにいた大東文化大と慶應日吉グラウンドにて対戦した。終始涼しい天候に恵まれ、両チームともここで一つ勝利を収めておきたいところであった。

優勢のスタートを切ったのは慶大だった。なんと開始1分にして、テンポの良い華麗なパス回しで攻め込み、WTB宮本(環3)によるトライが決まる。追ってその後すぐ、相手ボールを本年度主将のCTB栗原(環4)が力強いタックルで奪い、スクラムからのラインアウトで慶大ボールに持ち込んだ末、開始9分にしてHO原田(総2)が2つ目のトライを決める。その後も順調にボールをものにして開始14分、さきほど1トライを決めた原田により再び英姿のトライが決まり、慶大の好調な攻めが見受けられた。

しかし、慶大側のノックオンにより相手ボールとなってからは一気にゴール前までの突破を許し、渾身の粘りをみせつつも開始31分、大東文化大に1トライを奪われる。直後の34分、それを取り戻すかのような新入生であるSO中楠(総1)によるトライで前半を収めた。

後半は相手側の攻めに押されるもののディフェンス面でも慶大は底力をみせた。ゴール間際まで攻め込まれ1トライを奪われた慶大は、「慶應もう一本!」の掛け声を生命力に集中を保ち、試合終了間際までに3トライを奪い返す。

そのうち2つ目は終了6分前、NO8濱野(総3)が相手タックルを切り抜けHO安田(政4)によるトライ。3つ目は終了3分前、LO相部(政3)によるもの。後半は守りつつも最後まで点を取りに行くというバランスのとれた試合スタイルで魅了し、本試合は43—12と今季初の白星となった。

東海大戦

そして次なるは16日、Aグループ無敗の東海大との、今季最後の試合が行われた。前半は東海大の強靭な攻めに押され、合計3トライを奪われた。

後半は慶大のミスが目立ったものの、互いに2トライずつと引けを取らない接戦となった。しかし結果は17—29と、敗北に終わった。

春季シーズンAグループ優勝は帝京大の手に渡ったものの、早大とならび優勝候補であった東海大相手にここまで攻め込んだことは慶大にとって大きな一歩となったのではないだろうか。夏に向け、春季の課題を克服し磨かれた姿に期待が募る。

(大廣さくら)