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《論説》楽しいだけではすまない「Tik Tok」 潜むリスク

中高生の間でTikTokというSNSアプリが流行している。音楽に合わせて口パクや振り付けをし、その動画をアップして交流するアプリだ。

流行の中心にあるアプリにインスタグラムがあげられる。インスタは今なお若者のSNS界を席巻するアプリだが、最近は「動画」が注目されつつあるようだ。現在、ストーリー機能による動画シェアが一大ムーブメントを巻き起こしている。

TikTokも動画流行の潮流をくんだ最たるアプリの一つだ。最近はアカウントを開設する芸能人も増え、人気にますます拍車がかかっている。しかし、華やかな印象とは裏腹に、そこには多くのリスクが潜んでいる。

あくまで傾向だが、TikTokには美男美女至上主義のきらいがある。「面白動画」としてアップされたものを除き、容姿の整わない投稿者に直接批判を浴びせるユーザーも少なくない。

これまでも他の動画投稿サイトで似たような問題が起きていたが、TikTokの特異性はその手軽さにある。投稿に必要なのはスマホだけ。流行りの音楽や振り付けはすでに存在しているから、それをそっくり真似するだけなら頭を使う必要もない。そうして気軽に動画投稿をして、思わぬ悪意にさらされるユーザーが後を絶たない。

さらに懸念すべきは、動画の悪用である。TikTokの動画はワンタッチで保存できるため、他の動画サイトやネット掲示板へ違法に転載される可能性がある。保存されないよう設定することもできるが、スマホ本体の画面録画機能を使われてしまったら意味をなさない。

第三者に保存された動画は「話題のかわいい女子」などとまとめサイトへ無断転載されている。なかには「勘違いブスまとめ」と題した動画が別サイトにアップされるなど、投稿者の名誉を傷つけるケースもある。

すべての情報は、ネットに放った時点で自分の手を離れる。本来あってはならないことだが、現実はそう甘くない。下手に炎上すると中傷や嘲笑の対象になって、転載された情報を消すことが出来ず「デジタルタトゥー」の被害者となる。

悪用はネット上にとどまらない。プロフィール欄に学校名を記載すればストーカーの格好の的になりうる。所属を公開しなくても、動画に映る風景や制服などから居住地が割れる可能性もある。

人気の出た投稿者は「オフ会」と称してファンとの交流イベントを開催することもある。これではどこで被害に遭うか分かったものではない。実際、少女がアップした動画に「かわいいね」と書き込む出会い目的の人も散見される。

TikTokユーザーの多くは中高生や小学生だが、彼らはこういったリスクをどこまで理解しているだろうか。娯楽性以外の側面をよく見て、非公開設定・コメント規制などでリスク回避をしてから利用するよう、ネットリテラシー教育の一層の強化が急がれる。

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