TOKYO FMが主催する「FM FESTIVAL2017 未来授業~明日の日本人たちへ~」が今月15日に東京大学本郷キャンパスで開催される。今年で7年目を迎えるこのイベントでは各分野の第一線で活躍する著名人を講師として招き、大学生を中心とした若い世代が未来を生きていくためのヒントを届けるべく、講師と学生による対話形式の講義が行われる。今年は「AIは産業・社会の何を変えるのか?」をテーマに、東大大学院准教授の松尾豊氏、映画プロデューサー・小説家の川村元気氏、京大総長であり霊長類学者の山極壽一氏が登壇する予定だ。

このイベントの特徴は現役の大学生が未来授業学生委員会として広報を中心としたボランティア活動をし、運営のサポートをしていることだ。慶大生をはじめ、様々な大学から21人の学生が集い、2週間に1度のペースでミーティングを行っている。

委員会で活動している水町夏子さん(経4)は1年の時にイベント告知のラジオCMを聞いた母親から勧められてこのイベントに訪れた。著名人の話を生で聞けることに感動し、翌年も来場者として参加したそうだ。3年時に学生委員会の存在を知って応募し、現在も活動を続けている。「TOKYO FMの方たちは、社会で何が起きているのか大学生に本質的に理解してほしいという熱意を持って企画を考えています。その思いを直接知った上で、いま大学生が社会に何を求められているのかを考え、それを伝える側になれるということは勉強になります」と委員会で活動するやりがいを語った。

委員会にはラジオを愛する学生が多い。水田舜太郎さん(商2)は、以前から大学生になったらラジオに関わる活動をしたいと思っていたという。ラジオを共通項にして集まる団体が大学には少ないと感じていた時に学生委員会の活動を知り、応募した。「委員会の活動は、自分で考えて自分から動かなくてはならないのでとても刺激になります。自分がどういう価値を提供できるか、役割を考えながら活動しています。講師の皆さんと学生との懸け橋になりたいです」と力強く語る。

学生委員会の主な役割は大学生に向けた広報活動だ。普段あまりラジオを聞かない、ラジオ局がアプローチしにくい層の学生に広く知らせ、イベントが終わった後に行けばよかったと後悔する人をできるだけ減らすことを目標としている。SNSなどを使った情報発信のほか、今年からメンバーによるブログの更新も始めるなど多くの人に興味を持ってもらえるよう工夫している。

今年のテーマであるAIについてはこれから10年、20年先も生きていく若者にとって必ず向き合って考えなければならないテーマだ。難しく、とっつきにくさはあるが一度その領域に入って勉強すると面白い。だからこそ今回のイベントを一歩踏み出して考えるきっかけにしてほしいと水田さんは話す。

来場者としての参加経験もある水町さんは2年連続一人で未来授業に参加したが、その時に知り合った友人と今も交流があり、自分のコミュニティーを広げる機会にもなったという。普段の授業とは一味違い、臨場感ある講義を受けられる未来授業。興味のある方は参加してみてはいかがだろうか。詳細は未来授業のHPまで。
(竹内未月)