SDGs✕Youth 皆で考える「私にできること」

13年後の未来に向けて、若者たちが第一歩を踏み出している。先月27日、電通ホールに約300人の学生、社会人が集まった。国連開発計画(UNDP)と13の学生団体が協同で主催する「第1回SDGs×Youth 知ろう。語ろう。見つけよう。」の参加者だ。

SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットにおいて掲げられた17項目の行動計画の総称だ。貧困、ジェンダー、環境など、扱う分野は多岐にわたるが、すべては「持続可能な開発」を実現するために必要な目標とされている。

これまで国や国連機関などが主体となって世界が共有する課題に取り組んできたのに対し、個人や民間企業による草の根の活動を想定している点がSDGsの特徴だ。しかし現実には、貧困や環境という途方もない問題を前に我関せずの態度の人、企業がまだまだ多い。SDGs自体、まだまだすべての人に浸透しているとは言えない。

現状に危機感を抱くUNDPが、若者を巻き込んだイベントの開催を諸学生団体に持ちかけたのは昨年1月。その後、学生たちとの話し合いの末、イベントの骨格が形作られていった。

イベントの目玉は、第2部「語ろう。」のパートだろう。「SDGsを自分ゴトで捉えてもらう」ために、17項目の目標ごとに各団体がワークショップを用意した。どうすれば、「他人事」だった問題を身近なものに感じさせられるか。各担当者は工夫を凝らした。たとえば、目標13「気候変動に具体的な対策を」のブースを担当したのは日本模擬国連。担当者で塾生の高木優輔さん(商2)を中心に、「大学生の日常生活レベルに合わせたディスカッション」を企画した。環境問題の専門用語や知識は用いず、参加者の自由な発想を引き出していた。

イベントの最後には、参加者一人ひとりが「明日から、あるいは2030年までに実行すること」を考え、「My SDGs」として発表する。「電気の無駄遣いをしない」というようなすぐに行動に移せるものもあれば、「看護師になって途上国支援をする」、「営業マンとして社会貢献に携わる」など、キャリアとSDGsを直接結びつけた目標もある。すべての「My SDGs」から、各々の固い決意を感じることができた。

若者の間では、社会貢献のための行動を「意識高い系」などと嘲笑する風潮が根強い。しかし全ての人がアクションを起こさねば、SDGsは夢物語に終わってしまうだろう。2030年に向けて、カウントダウンは始まっている。
(石田有紀)