4月のリーグ戦を11位で終えた慶大は、第6節は終盤に逆転され惨敗するも第9節の早慶戦まで3連勝。段々と調子を取り戻し、順位を4位まで上げた。

第6節は鴻巣(総2)、小谷(環2)、沼崎(商1)の3人が今季初スタメンとなった。試合は早々に動く。前半7分、加瀬澤(総4)のCKに頭で合わせた宮地(総4)が先制点を奪う。しかし前半22分、右サイドを崩されると同点に追いつかれる。後半は一進一退の攻防が続き、試合が終わると思われたが45分、ゴールへの推進力をもった日体大にこぼれ球を決められ1―2で逆転負け。不甲斐ない結果となった。

サイドを駆け上がるDF溝渕
サイドを駆け上がるDF溝渕

続いて順大との対戦。「宮地が肩に力が入り過ぎていてそれがチームにも伝染していた。自分のプレーに集中させるため」、この試合から井上(総4)にキャプテンを託したと須田監督は語った。前半23分に失点を許すも上田(総1)の好セーブなどにより追加点を与えない慶大。すると前半37分、田中健(法3)が左足を豪快に振り抜き同点で折り返す。後半9分には山本(政4)の見事なボレー、21分松木(総2)の軽快な突破から得点。その後追加点を奪われるも1点を守り切り3―2で辛勝した。

第8節の国士大戦では、前半26分にまた先制点を許し、攻撃も不調に終わる。しかし後半1分、手塚(環3)のクロスがオウンゴールを誘発。両者譲らぬ展開から、後半42分に豊川(総4)がFKのこぼれ球を決め2―1。前節に続く逆転劇で今季初の連勝を飾った。

5月最後は早大との対戦。上位に食い込むためにはここでの勝利が肝要であり、早大に勝ち精神的に勢いづきたい。慶大は前半からテンポのいいパス回しでポゼッションを高め、15分には田中が目の覚めるようなゴールを決め先制。後半も安定した守備で主導権を握り、20分には手塚が中央を持ち上がり田中にラストパスを送ると、一対一を決め2点目。溝渕(環4)がPKを献上し点を決められるが、2―1でゲームを締める。

いずれの試合も1点差をものにしており、慶大の粘り強さが復活した。加えて持ち前のカウンターも機能するようになった。しかし、失点は16(リーグワースト2位タイ)と依然として多い。優勝も射程圏内に入ってきた慶大が優勝するためには、失点をなくすことだ。そして何よりも重要なのは、前期残り2試合に勝利することだ。
(長谷川裕一)