SFCに開設予定である未来創造塾事業の具体的な実施計画が昨年12月25日に慶大が開いた記者会見にて発表された。滞在施設を設けることで、大学に滞在しながら世界最高水準の教育と研究を行うことを目指していく。未来創造塾の開設に伴い、SFCの新入生をはじめ、授業履修の在り方にも変化が及ぶ。  (榊原里帆)

宿泊棟3棟と研究棟が完成する

 

地球規模で活躍する人材を育成

未来創造塾とは、キャンパス内に大型滞在施設を設置することで、大学に滞在しながらの教育と研究を可能にするという構想である。

2014年秋、湘南藤沢キャンパス内に宿泊棟3棟と研究棟1棟の建設が開始される予定。翌2015年秋には完成する見込みで、本格的な利用は2016年度以降となる。

2016年度以降、総合政策・環境情報両学部の新入生は、原則として2週間程度の滞在型教育を体験。教員や塾員、留学生らとの交流も行い、地球規模での問題発見・解決能力を養うことを目指す。具体的なプログラム内容については検討中で、これまでに実施された試験的プログラムの受講生等の意見も取り入れつつ、方針を立てるという。

また、休校期間中には通常の学期中とは別のプログラムを実施し、施設を有効活用していく予定である。施設の利用者は、塾生にとどまらず、他大学の学生、企業や海外の研究者など。さらには社会人・高校生などさまざまな人材が教育・研究に訪れる姿が理想とされる。

慶大では2014年度から2学期制と4学期制を併用した学事日程を導入することが予定されている。未来創造塾事業とこの4学期制に対応した授業の設置にも関連性がある。春学期後半における授業数を減らし、夏期休暇中にかけての留学やインターンシップ参加を促す。そうすることで施設のキャパシティに余裕が生まれやすくなり、海外からの留学生を多数迎えることができる。また、授業カリキュラムを柔軟にすることで、未来創造塾が開くプログラムに塾生が積極的に参加しやすくなる。

未来創造塾開設準備室長で総合政策学部の村林裕教授は「起業した卒業生がそのスピリットを後輩に伝え、国内外から研究者が集い、地球レベルで活躍する人材を育てたい」と話した。滞在型教育と同時に、滞在型研究を推進し、未来創造塾を日本と世界をつなぐ拠点にしていきたいという。