チーム一丸となり、ここまで全勝の慶大バスケ部

止まらぬ快進撃 首位堅持

リーグ戦全勝を目標に掲げる慶大は、まずリーグ前半戦を全勝で後半戦を迎えた。リーグ戦序盤からスモールラインナップの布陣で機動力を前面に押し出し、慶大の伝統である堅守速攻を体現してきた。主将蛯名(法4)の気迫溢れるプレーや伊藤(環3)の勝負強さは今季リーグ戦の好調を支えている。入れ替え戦やインカレを視野に入れて、後半戦を戦う。(中澤元・森俊貴)

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国士大戦 ○84-68 主将蛯名躍動 ベンチも貢献

リーグ戦未だ負けなしと好調の慶大は、今季のトーナメントで苦しみながらも勝利を収めている国士大と対戦。終始、試合の主導権を譲らず84―68で勝利した。

序盤は相手に連続得点を許すも、この日絶好調の蛯名(法4)がドライブからインサイドの黒木(環2)へアシストする正攻法のオフェンスを連発し、17―17の同点で第1Qを終える。第2Qも変わらずシーソーゲームかと思われたが、伊藤(環3)の3Pシュートなどで流れを掴むと、好ディフェンスで相手を封じ込め、43―32と二けたリードで前半を終える。

後半も、苦しい場面でシュートが決まり点差を縮めさせない展開。64―55で第3Qを終える。最終Qでは吉川(環3)なども積極的な攻守でチームを盛り上げ、慶大がペースを握り続けた。84―68と最終的には16点差を付け、開幕7連勝とした。

関学大戦 ○76-75 高さに屈さず接戦制す

ここまで安定感のあるプレイで白星を7つ積み上げてきた慶大は、昨年度のリバウンド王プィ・エリマンを擁する関学大と対戦した。最後まで拮抗したが、76―75と1点差で関学大を下した。

試合開始直後からプィの豊富な運動量に苦しめられる慶大。簡単に頭上でパスを通され、ゴール下でのシュートを許してしまう。リバウンドも取れず、流れに乗れない慶大は14―20と6点ビハインドで第1Qを終える。

流れが変わったのは第2Q中盤の伊藤(環3)の連続3Pシュート。西戸(環1)のスティールも冴え、得点を量産。身長差を乗り越え、逆転に成功する。 後半は一進一退の攻防を繰り返す。勝敗が決したのは試合終了5秒前だった。1点リードの状態で関学ボールのスローイン。ファールが許されない中、落ち着いてスローイン後の関学のシュートを全員でチェック。リバウンドを大元(環2)がしっかりキープし、」76―75で関学に勝利した。

神大戦 ○97-86 力の差見せつけ全勝ターン

リーグ前半戦を無敗で折り返すためにも絶対に負けられない一戦は、エース古橋を擁する神大。序盤こそ拮抗した展開だったが、慶大は終始相手を寄せ付けず、97―86で勝利。無敗で後半戦を迎えることとなった。

前半、立ち上がりに苦しんだ慶大だったが、矢嶋(総4)の3Pシュートが立て続けに決まるなど相手に流れを渡さず、第1Qを22―23で終える。第2Qに入ると、徐々にリズムを掴み、終盤には連続11得点で一気にリードを奪って、52―39で前半を折り返す。

後半に入っても流れを失わず、「スターターが入れ替わってほしい」(佐々木HC)中で、ベンチメンバーも多用し余裕の展開を見せる。しかし神大もエース古橋を中心に粘りを見せ、74―57と試合を決めきれない。最終Q、当初のメンバーに戻して勝負をかけると、伊藤(環3)の3Pシュートが要所で決まる。最後まで譲らなかった慶大が97―86で勝利し、前半戦を全勝で終え、首位で後半戦を迎える。

東洋大戦 ○93-65 序盤は僅差も後半圧倒

 

秋季リーグ前半を全勝で折り返して臨んだ東洋大戦。後半戦の流れを決める大事な試合だったが、持ち味の堅守速攻で東洋大を圧倒。93―65の大差で勝利した。

序盤は失点を重ね、リバウンドに苦しみ、前半を42―40で終える。

だが大元(環2)が「ディフェンスリバウンドをキープして速攻」と語るように全員でリバウンドを積極的に取りに行く。ここで慶大の得点力が爆発。東洋大の焦りを誘い、スティールも量産する。第3Qは76―48と大量リードする。第4Qに入るとベンチから平石(環4)らの健闘で、93―65で東洋大を下した。

この勝利で秋季リーグ10連勝という快挙を成し遂げた慶大。佐々木HCも「やらなくてはならないことを選手が理解している」と評価した。

江戸川大戦 ○89-84 終始冷静に要所で攻守

リーグ11戦目は江戸川大との対戦。相手のゾーンプレスに苦しむも、徐々にリズムを掴み、89―84で接戦をものにした。これで開幕11連勝と首位を守っている。

第1Q、相手にリードを奪われると、ミスが目立ち21―32と二けた差をつけられてしまう。第2Qに入っても攻撃が単発になり流れを掴めない。中盤に権田(政3)のバスケットカウントで少しずつ点差を縮め、38―42で前半を終える。

後半に入ると、この日好調の矢嶋(総4)が躍動し逆転に成功。しかし江戸川大のオフェンスを止めることが出来ず、63―63と同点で最終Qを迎える。ここで相手のシュートの精度が落ち始め、逆に慶大は黒木(環3)がインサイドで落ち着いたプレーを見せ、得点を重ねる。終盤、相手の早い展開に最後まで苦しめられるも、ディフェンスが要所で機能し、冷静に試合を進めた慶大。最終スコアは89―84で無傷の11連勝と好調をキープしている。

日体大戦 ○108-85 100点ゲーム リーグ優勝へ

秋季リーグ12戦目となる日体大戦。全勝と流れに乗る慶大の圧倒的な得点力で、108―85と100点ゲームで日体大を下した。

立ち上がりは日体大のインサイドに苦しめられる。だが、西戸(環1)のスティールや機転の効くパスなどの好プレイで食らいついていく。下級生の健闘に続き、伊藤(環3)の連続9得点や権田(政3)のアシストで逆転に成功。チャージングを誘う場面も多く、攻守ともに冴えた慶大。48―45とわずか3点のリードながらも、良い流れで前半を終える。

後半はこの試合29得点をあげた伊藤をはじめ、キャプテンの蛯名(法4)が持ち味であるハッスルプレイでチームを鼓舞。試合終了まで攻撃の手を休めなかった慶大は108―85と23点差をつけ、大差で日体大に勝利した。

試合終了後、「前半は失点が多かったが、後半はディフェンスを頑張れた。入れ替え戦も見えてくる」と佐々木HCは語った。慶大は開幕12連勝。あと4勝でリーグ優勝が確定する。