新たなネット活用を語る津田氏
ウェブ通じ民意を反映
情報の教養学講演会が先月15日、来往舎シンポジウムスペースで開かれた。同講演会は教養研究センターが主催しており、今回で開催は2回目となる。タイトルを「ウェブで政治を動かす!」と題し、講師にはジャーナリストの津田大介氏が招かれた。
津田氏は講演を通してインターネットテクノロジーを用いた政治への参加手段の可能性を述べた。インターネットを用いた政治運動の例として、アラブの春や昨年の官邸前デモを挙げた。これらの運動の成功要因をFacebookやTwitterでの情報拡散だったと分析し、インターネットが大衆の新しい参政ツールとして可能性を秘めていると論じた。
また、津田氏は批評家の東浩紀氏の言葉を引用し、「激安の機能制限版普及型政治参加パッケージ」、つまり誰でも政治に意見できるシステム構築を進めるべきだと論じた。インターネット上で教育について議論するサイト「熟議カケアイ」や、政治に関する賛成・反対意見とその理由をウェブ上で集める「ゼゼヒヒ」などを例に挙げ、ウェブ上での議論や活動をもっと盛んにする必要があると主張した。
さらに津田氏は、これから実施され得る「ネット選挙」についても言及した。選挙におけるインターネットの活用には、選挙費用の削減を見込めるほか動画で候補者を紹介しやすくなるなど多くのメリットがあると述べた。こうした動きにより、双方向的にウェブで政治を動かすことが可能になってきていると結論付け、講演を締めくくった。
情報の教養学講演会は6月12日、6月15日に第3回と第4回が行われる予定だ。第4回はワークショップ形式で行うため,参加は第三回の受講が必要である。詳細は次のURLページを参照。
http://open-learning.ice.keio.ac.jp/