WEBで女性の働き方を発信するサイ トも

女性の社会進出が著しい現在の日本。少子化が進み、将来の生産労働者数が減っていくことが懸念されている中、社会における女性の活躍に期待が高まっている。しかし、日本の女性の中には、社会に出ることに不安を抱いている者も少なくない。
WEFが発表した2012年版「男女格差報告」において、日本は135か国中101位。女性の教育レベルは高いが、労働市場で活用できていない点を指摘された。
国の男女共同参画に対する制度は手厚いが、それでも非正規雇用の女性がまだまだ多く、「勿体ない」とした上で、「日本の文化自体が変わらなければ、完全に女性の働きやすい環境をつくることは難しいだろう」と語るのは、女子の就活を応援するサイト「ハナジョブ」を運営するNPO法人代表の角めぐみ氏。

パートナーの協力が要

女性が働くには、パートナーである男性の協力が重要だ。しかし、男性が育児休業を取る例は少ない。取ったとしても、長期間で取ることはなく、2週間ほどの短期間で取ることが多い。その原因には、今なお残る「男性は働かなければならない」という固定概念がある。男性は周囲の人を気にして、男性特有の縛りの中で働き続けているのだろう。こうした性別役割分業観が解消されることが望まれる。
しかし現在でも、育児や家事に協力的なパートナーを持ち、仕事と家庭を両立している女性もいる。慶大医学部助教の松田恵子氏は、そんな女性の一人である。
松田氏は女性研究者として活躍し、彼女の夫も同じ職場で働く研究者だ。「育児や家事は夫と私のどちらかできる方がやる。夫に対して悪いなって思うこともあるけど、彼は気にしていない。周りの共働きの夫婦には別居や単身赴任が多いので、結婚後も仕事と家庭を両立させるためには誰と結婚するかが大事」

研究と家庭を両立させてきた松田氏

パートナーの協力もあり、仕事を続ける松田氏だが、それでもスケジュール管理を徹底して時間配分に気を付けなければならない。「家で出来る仕事は持ち帰る。仕事で及ばないこともあるが、子どもを理由にしたくない。だから時間で最善を尽くす。その分、充実した生活を送っている」と工夫している。
「復職した時に100%の歓迎を期待して、頑張りすぎる女性が多い。周りを気にしすぎないで、自信をもっと持つべきだ」と松田氏。「制度が整っている会社もいいけど、慶應女子は道を切り拓く力があるはず。自分で枠を作らず、女性の柔軟性を活かして働きやすい環境を自分でつくり、新しい時代を築いてほしい」と角氏がエールを送った。
女性が仕事と家庭を両立するためには、理解のあるパートナーを選ぶ必要がある。また、男性もパートナーとなった女性の社会進出に、できる限り協力してほしい。
(井上絵梨)