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『100番目のメッセージ』 元ミス慶應、藤井みゆさんインタビュー

発行人である慶大OG藤井みゆさん
発行人である慶大OG藤井みゆさん

昨今、世界的な大不況や政治不信など、後ろ向きな話題が世の中にまん延している。社会人予備軍である私たち大学生も、厳しい就職難のニュースなどで不安の波にさらわれそうになることも多い。そんな時、我々の心の助けとなる一冊の本、「100番目のメッセージ」(2010年発行 かんき社)を紹介したい。

この本は白鳳、ジョン・カビラ、茂木健一郎、為末大といった各界の第一人者99人が大学生へ送ったメッセージを集めた本となっており、夢や仕事、人生に対してポジティブになれる言葉が詰まっている。そして最後のページ、すなわち100番目のメッセージの欄は白紙となっており、自分自身にエールを送るという形式になっている。

すんなり心に入ってくるメッセージ。それは発行人、そしてインタビュアーが我々と同じ大学生であったということに理由がある。発行人は5人の大学生・院生からなる「メッセージプロジェクト」というチーム。我々と同じ目線で本が編さんされているということが非常に強い共感を生み出す要因となっている。今回は発行人の1人であり、慶大OG(発行当時は大学4年)、2007年度ミス慶應にも選ばれた藤井みゆ氏にお話を伺った。

「就活をきっかけに偶然知り合った仲間たちと『学生生活の最後に何かしよう』となったときに、自分を含め、将来に対して漠然とした不安を抱えている友達の姿を見て、若者たちに対するメッセージ集という草案が浮かびました。何の身分も持たない学生だからこそいろいろな人に会ってもらえるのではないかと考えたのです」と同書発行の経緯について語る藤井氏。

「まずは5人で会いたい人99人のリストを作りました。『大学生が会ってみたいような有名人、しかも99人から期限の2カ月間でメッセージをもらうなんて無理だ』と出版社からは言われました。でも企画書をいくつも出して出版社にも協力してもらえるようになり、電話や手紙、時には事務所の前で出待ちして何度も頭を下げて取材を取り付けたことが思い出深いです」と振り返る。

取材活動で最も印象的だったことは、社会人の方たちの優しさだと話す藤井氏。「多忙にもかかわらず、多くの方が快く、しかも無償で引き受けてくれました。14番目に掲載されているATカーニー日本代表・梅澤高明さんのように、他の人を紹介してくださる方もいらっしゃいました。そうすると『誰々さんからの紹介なら引き受けよう』といった風に取材の輪が広がっていく。社会で何かをなす人は慈善の心が大きいし、横のつながりをとても大切にしていると感じました」と話す。

藤井氏が取材中に一番印象に残った言葉は、33番目・株式会社ニューズツーユー代表取締役兼パンセ代表取締役・神原弥奈子氏の言葉「今の時間を当たり前だと思わないこと」。「学生時代は親の意見に左右されることも多く、結婚すると家庭のことを気にする必要が出てくる。そう考えると卒業してから結婚するまでの時間は『自分のことを自分で考えられる特別な時間』で、特に女性は大切にすべきだというお話をお聞きしました。その後の生き方にとても参考になりましたね」と語る。

現在、大手の外資系銀行でキャリアを積んでいる藤井氏。最後に同氏が社会人になって改めて、大学生に送りたいメッセージを伺った。「私が送りたい言葉は、『逃げることと前進する勇気は違う』という言葉です」と話す。「今取り組んでいることから身を引こうと思ったとき、現状からの逃げなのか、それとも前に進むという意志を伴った勇気なのか、ということを考えてほしい。逃げと勇気の間に明確な線引きがあるわけではないのですが、自分の中にブレない軸を持つことが大切」と語ってくれた。

新しい年が始まった。今何か一歩踏み出したいと思っている人はこの本を読んで、自分に送りたい100番目のメッセージを考えてみてもよいかもしれない。                (平島海)