斯道文庫開設50年記念講演とシンポジウム「古典籍の探究――書誌学の世界――」ならびに記念式典が、12月4日に三田キャンパスで開催された。古典籍の研究者が講演したほか、記念式典には株式会社麻生会長・麻生泰氏と公益財団法人永青文庫理事長・細川護煕氏らが来賓として招かれた。
基調講演では名古屋大学大学院教授・塩村耕氏が登壇。「岩瀬文庫に教わったこと」と題し、重要文化財を含む約8万冊の蔵書を保存・展示する岩瀬文庫の説明や、自身がそこから学んだこと、書誌学とはどのような学問なのかについて語った。
シンポジウムでは中国古典籍研究を専門とする3人の教授が登壇。名古屋大学大学院教授・井上進氏は「版本研究の意味・面白さ」、東京大学東洋文化研究所教授・大木康氏は「明末・清初の中国文学」、茨城大学大学院教授・真柳誠氏は「書物との出会いから研究」について、それぞれ自身の経験を交えながら話した。
記念式典では斯道文庫長・山本英史氏と清家篤塾長の式辞に続き、麻生氏と細川氏が祝辞を述べた。
麻生氏は斯道文庫の創設者・麻生太賀吉氏を父に持つ。麻生太郎元首相の実弟。
細川氏は第79代内閣総理大臣。永青文庫の蔵書のうち約3万3000点を斯道文庫に寄託している。