2017年7月23日

慶應塾生新聞会 三田オフィス
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旅は五感を使ったエンターテイメント ガイドブックを片手に地球を歩こう

「地球の歩き方ガイドブック」編集本部長の奥氏
「地球の歩き方ガイドブック」編集本部長の奥氏

秋学期もあと1ヶ月強で終わろうとしている。そろそろ春休みの旅行の計画や予約をする人も多くなる頃であろう。旅の魅力とは果たして何であるのだろうか。旅行には欠かせないガイドブックの製作過程と合わせ、『地球の歩き方』編集本部長である奥健氏に話を聞いた。

今年で創刊35周年を迎えた地球の歩き方ガイドブックは現在118ものタイトルを展開。加えて女子向けや雑誌タイプのムックなど、さまざまな種類のガイドブックを発行しており、取り扱っている情報量は膨大である。

しかも驚くことに、これらは取材陣の一人一人が日本から現地に実際に足を運ぶことで収集してきたものだ。毎年または2年以内に改訂を行うための、取材や確認作業は非常に大変である。しかし、正確な情報を掲載し、またトレンドを察知する点でもそういった確認作業は欠かせない。

最近では、ブログや口コミサイトなどから情報を集め、現地でもパソコンやスマートフォンを片手に旅行する人が増えてきた。たしかにインターネット上にも多くの有益な情報が流れているが、それらは自ら検索しなければ手に入れることができないものだ。それに対し、ガイドブックにはその国(都市)の概況や観光名所・飲食店・交通機関など旅をするための幅広いジャンルの情報が一冊にまとめられている。それらを一度に把握できるという利点がガイドブックにはあると奥氏は話す。掲載情報の更新や確認がしっかりと行われているのも強みだ。

テレビやインターネットで情報が簡単に手に入る今、現地に赴かなくとも異世界を知ることはできる。しかし奥氏は「若いうちにたくさん旅に出てほしい」と語る。録音された音楽と生(ライブ)の音楽が全く異なるように、旅での実体験は極めて重要であり、自分だけの発見が生まれるという。

また「失敗しない旅」をする人が増えていると指摘する。定番観光地だけを、時には掲載されたモデルプラン通りに旅先をめぐるという傾向も最近目立つ旅行者の特徴だ。ここには、定番を抑えておけば間違いない、また自分で旅のプランを立てられないという消極的な様子が垣間見える。

このような状況に対し、有名な場所に行き、ただ写真を撮って満足する確認作業のような旅ではなく、自分自身が何かを得られる旅をしてほしいと話す奥氏。「旅先では、現地の人との会話を楽しむこと、海外であれば、最新の日本のことを伝えることもできる。一本脇道にそれたら、思いも寄らなかった場所が発見できるかもしれない。さまざまな方法があるが、もっと積極的な旅をしてほしい」とメッセージを送った。

「歩こう地球」。地球の歩き方という言葉の由来となったフレーズである。わたしたちは自分で計画を立て、自分の足で好きなように地球を歩くことができる。この春休み、今までとは少し違った気持ちで旅に出てみようではないか。 (榊原里帆)