止まらない地球温暖化~体育会山岳部の視点で捉える

 地球温暖化が進めばなくなるスポーツがある。ウインタースポーツがその良い例だが、登山もその範疇だ。今回、取材班は体育会山岳部に話を伺った。

 多くの氷山は氷によって岩石が支えられており、それが溶けだせば土砂崩れが頻発するようになる。そうなってしまえば、登山どころではなくなる。さらに、山岳地帯の町や村は壊滅するだろう。

 「環境問題に対して私達がすべきことは現状を正確に把握すること」と山岳部の顧問である福井弘道教授は話す。

 人間は自分から離れたことについて過小評価する傾向にある。アメリカの人々の地球温暖化に対する危機感が増したのは、大型のハリケーンが本土を襲うようになってからだ。なるほど、現状を把握することは確かに有効だ。

 では、環境問題において現状を知るためにはどうしたら良いのだろうか。その答えの一つとして、昨年11月教授たちのチームはヒマラヤ山脈のイムジャ氷河湖の水位を観測する機器の設置に成功した。

 ヒマラヤ山脈の氷河は南極、北極と同等の量の淡水を有し、第3の極とも呼ばれる。氷河の融解により水位が上昇する氷河湖は現状を知る良い指標となるのだ。

 ちなみに、プロジェクトはまだ初期段階で最終的には氷河決壊回避のための土木工事支援などを行う構想のようだ。

 教授は環境問題の情報に関してマスコミの情報を鵜呑みにしてはいけないとも話す。「百聞は一見に如かず」という言葉の通り、変化を正確に知るには自分の目で様々なものを見るべきだ。

 といっても、普通の人がヒマラヤや両極などに気軽に行けるものではない。スーパーに並ぶ魚の変遷など、まずは日々の変化に敏感になることが大切だ。山岳部をはじめとした自然と触れ合う団体に所属して、リアルな体験をすることも非常に有効だろう。

 温暖化は想像以上に私達の生活に影響を及ぼす。スキーや氷山への登山が過去の産物にならないためにも、私達には自覚ある行動が求められる。

(松本理平)