12月5日、今年も田町駅からほど近い建築会館にて、塾生就活生向けのOB・OG参加型イベント「LIVE VOICE! 2013」が開かれる。そこで本イベントのテーマになっているOB・OG訪問の重要性について、イベントを運営し、就職情報誌「就職ウォーカー」等の発行も行っている、株式会社ジェイ・ブロードの三浦力さんにお話を伺った。

―今年から例年より企業の採用広報が2カ月遅れますが、OB・OG訪問の位置づけに変化はありますか。

「はい。例年は10・11月に行っていた広報活動が自粛され、実は学生だけでなく企業側も焦りを見せています。従来であれば10月から段階的に深めていった業界・企業理解ですが、企業との接触が2カ月少ない分、学生の理解が浅くなることには企業側もある程度の覚悟をしているようです。しかしこれは裏を返せば、『自分はなぜこの会社に入りたいのか』しっかりと言える学生は従来に増して、相対的な価値が上がることを意味します。

その意味で今年は、いかに他の人が持っていない情報を多く手に入れるかが重要になります。多くある情報の中で、自分で働きかけなければ手に入らないOB・OGからの情報は、まさに他の人が持っていない非公開の情報ですから、重要度が非常に増しています。

私たちのイベントでも基本的には各企業の人事担当の方が、各ブースで会社や業界の説明を行います。

ただ、他のイベントよりも塾生OB・OGの参加率が高いのが特徴で、塾生の皆さんにとっては、より「自分ごと」として聴ける場面が多い特別なイベントになると考えています。」

―より効果的なOB・OG訪問にするために意識すべきことはありますか。

「やはり目的を持って話を聴くことですね。企業が学生の業界理解・企業研究に何を求めているかと言えば、それは売り上げなどのデータ的なものではなく、その学生と企業が『どうマッチしているか』を理解していることです。具体的には、その会社の働き方や社風のどんなところに共感していて、自分がその中でどんな風に活躍できそうか、できるだけ明確なイメージを持っていることです。そういう具体的なイメージはWEBを見ているだけではなかなか沸いてこないものですから、そこにOB・OG訪問をする大きな意味があります。

もちろんただ話を伺うだけでも得られるものは多いですが、自分の大切にしているものを対話を通して確認する場として使うほうが、より訪問の質が上がると思います。

―慶大生限定の合同セミナーは他にも開催されていますが、複数参加する利点はありますか。

「まず、他のイベントでは見られない企業が見られることですね。慶大生限定イベントは複数あっても、参加企業は各イベントで『1回限り』というところが多いのが実情です。特に12月5日開催の本イベントは企業の広報活動が解禁となった矢先の開催となるため、これ以前のイベントでは参加できなかったような企業の参加も多くなります。また今年は広報自粛によって学生が就職活動を実感する場も減っていますから、一つでも多くのイベントに出て気持ちを切り替えておくことで、周囲と差をつけられるかもしれませんね。」

(聞き手=岡本直人)