心身鍛える合氣道部

流れるように合氣道の技を決める様子
流れるように合氣道の技を決める様子

慶應義塾體育会の合氣道部は、全日本心身統一合氣道競技大会で毎年入賞を果たすなどの優秀な成績を修めている。合氣道という言葉を耳にすることはあっても、一体それがどういうスポーツなのかわからない人が多いだろう。合氣道部の活動に迫った。

慶應義塾合氣道部の流派は心身統一合氣道という。この流派では、まず始めに姿勢を学ぶ。ここでいう姿勢とは身体の構えのことだけではなく、心構えも含まれている。「心が安定することで身体の重心も安定する。この状態が心身統一です。まずは正しい姿勢を会得することが大事」と話すのは合氣道部主将の木原裕太さん(商3)。

活動場所は日吉キャンパスから少し歩いた蝮谷にある、合氣道部専用の稽古場だ。78畳の広い稽古場は24時間使用可能で、部員は日々練習に励んでいる。現在、部員は23人。毎週6日間活動し、月、水、木、金、土曜日に稽古、火曜日にはトレーニングをしている。水曜日には藤平信一師範による師範稽古も行われている。稽古自体は男女混合。「老若男女問わず誰でも参加できることが合氣道の良いところ」と木原さんは語る。

合気道というと素手で行われるイメージが強いが、武器も使用される。武器は剣(木剣)、杖、短刀(木製)の3種類だ。太刀取り、杖取り、杖投げ、短刀取りの4種類の技がある。

大会は主に技の効果、姿勢、さばきなどの完成度で審査が行われ、合氣道の充実度を競う。審査内容に試合が含まれないのは、元々合氣道に試合がないからである。これは武道における試合が生死を意味するためだ。それゆえ、合氣道の大会は審査会と呼ばれている。

合氣道の慶早戦も行われている。早稲田大学は富木派であり、本来、異なる流派同士の交流は禁止されているが、慶應と早稲田が新しいものを作り上げるということで競技が行われている。これは学生だからこそ可能なことだ。両大学の合氣道部が充実した競技を行うことで、互いに切磋琢磨している。

木原さんは「合氣道部の目標は、合氣道を通じて至誠の人を作ること、人間性を高めることだ。本来武道では優劣をつけないものだが、戦績的な目標としては、審査会での個人・団体で金賞獲得、表彰台の慶應独占、慶早戦での全勝優勝を目指している」と話す。

終始、礼儀正しく真摯にインタビューに応えてくれた木原さんの姿勢は素晴らしかった。これからも活躍し続ける合氣道部に期待したい。

(柳沼和宏)