第86回関東大学バスケットボールリーグ戦が今月4日に開幕した。慶大は第1週目に専大、第2週目に拓大と対戦したが、ともに初戦を落とし、現時点で2勝2敗。昨年惜しくも優勝を逃しリベンジに燃える慶大にとっては、厳しいリーグ戦の幕開けとなった。
(井熊里木)

フェイドアウェイを決める家治
フェイドアウェイを決める家治

専大戦
インサイドに穴 岩下欠場響く

岩下(総4)欠場の中臨んだリーグ戦第一週目。
インサイドの要を欠いた慶大は初戦、専大のルーキー宇都に41得点を与えるなどディフェンスが崩壊し、81―96で敗北。
第2戦目こそ家治(環3)が31得点とエース級の活躍を見せ、89―71で慶大が勝利したものの、昨年あと1勝というところで優勝を逃したリベンジもかかる慶大にとっては、苦いリーグ戦の幕開けとなった。
初戦の敗北について、主将の二ノ宮(環4)は「岩下がいない穴を埋めようという意図があったが、そこがうまく機能しなくて良い形に持って行けなかった」と振り返る。
慶大ベンチは岩下不在のインサイドを中心に積極的なメンバーチェンジを試みるも、オフェンス、ディフェンスともに息が合わず、慶大が得意とするトランジションゲームを展開することができなかった。
また、佐々木ヘッドコーチは「インサイドはまだ大きな不安」と、専大戦を通して浮き彫りとなったチームの欠点について言及する。初戦では、相手にオフェンスリバウンドを取られ、そのままインサイドで得点を許す場面が目立った。
しかし、2試合目では194㌢の本橋(環1)が積極的にリバウンドに飛び込めば、193㌢の中島(総1)が勝負どころで何本かシュートを決めるなど、インサイド陣の成長に見込みがないわけではない。
フォワードの酒井(環4)も「まだ個々のレベルは劣るが、1年生も強くなっている。そこを今後活かして」と下級生のインサイド陣に期待をかける。
残りの8週間でいかにインサイド陣のレベルを引き上げるか。第1週目にして、早くも今季リーグ戦での課題が一つ見つかった。






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拓大戦
決定力に差 初戦で黒星

リーグ戦第2週目は、今季2部リーグからの昇格を果たし勢いに乗る拓大との対戦。
初戦。最終ピリオドまでリードしていた慶大だったが、ラスト1・5秒で拓大が90―90の同点に追い付き、延長戦へ。
「勝負所で相手の長所であるロングシュートを決められてしまった」(環4・酒井)と、延長戦では拓大の3ポイントシュートがことごとく決まり、101―96で慶大は逆転負けを喫した。
第2戦では二ノ宮(環4)と酒井の主将、副将コンビが共に27得点の活躍。慶大が92―83と逃げ切った。しかし、慶大は第2週を終えて2勝2敗。リーグ優勝に早くも黄色信号が灯った。
「相手の長所ばかりを意識しすぎてしまい、自分たちの良い所を発揮できなかった」と佐々木ヘッドコーチは初戦の敗北を振り返る。
初戦で拓大が決めた3Pシュートは全部で17本であるのに対し、慶大は6本。リーグ内でもトップクラスのロングシュート力を誇る拓大の本領を前に、慶大は消極的なオフェンスに終始した。
また、初戦は途中出場、2試合目ではスタメン復帰を果たした岩下(総4)だが、「ちょっと長く使いすぎたかな」と佐々木ヘッドコーチ。
6得点、8得点と、2試合共に10得点未満に留まった岩下の不調は、慶大にとって大きな痛手となっている。
次戦の相手は、昨年、優勝が懸った最終週で痛恨の敗北を喫した筑波大。
昨年のリベンジへ向けて、主将の二ノ宮は「リーグ戦は長丁場。一戦落としたことにショックを受けず、目の前を一試合一試合頑張るという意識で」と前を見据える。