プロ棋士による囲碁の授業が新設 履修希望者が殺到「囲碁は答えのないゲーム」

すべての履修選抜用紙に目を通した
すべての履修選抜用紙に目を通した

 SFCでは今年度より、囲碁の授業が開講された。授業を担当するのは、環境情報学部96年卒の吉原由香里さん。吉原さんは在学中にプロ試験に合格し、女流棋士「梅沢由香里」として活躍中。囲碁の普及活動も行っている。
 SFCで授業が設置されるにあたっては、「驚いたが、他の大学で囲碁の授業を担当した経験もあり、できそうだと思った。母校で授業ができることは光栄です」と語る。最先端をいくSFCで、囲碁という古いものに価値を見出してもらえたことも嬉しかったそうだ。
 授業では履修者を40人ほど受け入れる予定だったが、初回のガイダンスでは約500名もの学生が履修希望を出した。「履修希望者には、強い熱意を感じた。本当はたくさんの人に受講してもらいたかった」と吉原さんは話す。
 約500枚もの履修選抜用紙すべてに目を通し、熱意が伝わった人や囲碁を授業後も役立てている姿が想像できる人を選抜した。履修者ひとりひとりにしっかりと教えたいという思い、囲碁のルールを覚え、しっかり打てるようになって欲しいという思いから、最終的に履修許可者は51名に絞られた。
 「囲碁という授業を通して、日本の文化に触れてもらいたい」という吉原さん。「日本のよさを感じることによって、海外へ行くときにも役に立つ。また、囲碁はその場その場での問題発見・解決が求められる状況が多く、それはSFCの理念と一致する部分もある。囲碁は答えのないゲームであり、人生と似ている部分がある」
 「授業の中で、学生がいろいろ感じて欲しい」と語る吉原さん。単に囲碁を上手く打てるようになるだけではなく、囲碁を通じて様々な経験をして欲しいという思いが伝わってくる。
 授業の形式は、解説と対局のセットで行われ、学生同士が対局することもある。また、学生に問題を解かせることによって、どこが間違えているのかを一緒に考えることもあるという。
 今後、授業外において東大で同じ囲碁の授業を受講している学生と、インターネットを通じて対局することを考えている。この交流を通じて、囲碁以外の面においてもつながりができればと吉原さんは語る。将来的には、囲碁の講座が設置されている早大との交流も考えているそうだ。
 塾生へのメッセージとして、「いろいろなことを体感することが大事。大学生ほどチャレンジできる時期はない。やりたいことをやって欲しい」、吉原さんはそう話した。      (野村健太)