「よく生きる」を支援する 株式会社ベネッセ・コーポレーション

Bene(よく)esse(生きる)という社名の通り、株式会社ベネッセ・コーポレーションは、生活・介護・教育といった分野において、0歳から100歳までライフステージに応じた課題解決を支援する。ベネッセと聞いて思い浮かぶ事業は、進研ゼミやこどもちゃれんじだろう。しかし近年子ども向けだけではなく、大学生や社会人向け事業にも力を入れ、拡大している。

社会人向けの教育として、2022年5月東京都の「DX人材リスキリング支援事業」を受託した。ベネッセが中小企業を対象に学びのプログラムを提供する。官民の役割分担がなされており、政策を決めるのは公だが、実現は民間企業も重要な役割を担う。

変化の激しい時代において、「今あるスキルを磨き続けながら新しいスキルを習得する・リスキルすること」がビジネスマンとして必要不可欠である。自律型人材の育成が加速する今、ベネッセはデジタル活用により個別性高く、学びの幅が広がる内容を提供している。

課題を探って解決する

株式会社ベネッセコーポレーション 人財開発部 採用課 北村洋子さんに仕事内容を聞いた(写真=提供)

ベネッセの社員の先には、実際の顧客がいる。例えば小学生向け、中学生向けなどだ。彼らにはどんな課題があり、どうしたら解決できるか、企画・サービス・商品開発する。自ら企画し、作って届けるところまで一気通貫でやるところが、ベネッセの特徴である。近年は顧客の課題を探って仮説を立て、企画・解決・開発するプロセスは変わらないが、取りうる選択肢がデジタル化で広がってきた。

北村さんは高校生向けアプリの商品開発をしていた際、調査をすると「現代文が苦手」に様々な切り口があることが分かった。文脈が分からない、語彙が無い、背景知識が無い。課題をピックアップして開発する。当時、顧客課題とツールの持つ特性をベストな状態で考えなければいけないと痛感した案件だったという。「誰の課題を解決するために」のズレがないか、解決手段としてそれが正しいのか振り返ることが大事だと感じたそうだ。

一方、ユーザーの高校生・中学生に「これのおかげで分からないものが分かるようになった」と言われた時は、『楽しかった』『面白かった』よりも「分からないことが分かるようになった」ことは深い価値だと思い、企画開発の苦労が一気に報われる瞬間だったと思い返す。「分からないまま一生過ごすのと、それがきっかけで分かるようになったのと、彼らにとって多少なりとも良い変化だったのではと思う」大事な時期の大事な価値を届けられたことにやりがいを感じていた。

教育業界シェアNo.1企業

圧倒的なシェアがある企業と、2位以下の企業では、取れる戦略が異なる。ベネッセは教育・世界・事業を「今後10年後20年後どうするか」という地図を描ける。「現在勝つためどうするか」ではなく、長期的な視点で眺めることは担い手として考えられる幅が広くなり、魅力的だろう。

顧客がたくさんいるので、多数のデータを分析すれば、より精度の高い商品開発ができる。例えば、0歳からデータを持っているお客さんが、小学校4年生の時はどうだったか、など繋がった「線で分かる」のはベネッセの強みのひとつで、高い商品力の裏付けになる。

好循環で業績維持が可能になる(写真=提供)

ベネッセの働き方

ベネッセはコアタイムの無い、スーパーフレックス勤務制度だ。社員ひとりひとりが、時間の使い方を任されている。打ち合わせを1日に固める人もいれば、『企画集中デー』を作る人、分散させるタイプの人もいる。スケジュールは自分で組み、スケジューリングできてこそ一人前といった風潮さえあるという。自分で仕事を仕上げていくにはどうしたら良いか。ワークライフマネジメントがしやすい環境といえるだろう。

他にも特徴的なのが、今年4月開始の「リスキル休暇」である。社員自らの活躍の方向性を考え、学びのために年間3日間休んでよい。各自の興味関心に沿った、講演会に行く、資格試験に行くなどが挙げられる。

24卒就職活動に向けて動き出す夏

ベネッセが扱う教育サービスはあらかじめゴールが分かっているものではない。だからこそ「こうかな」と試行錯誤することが大事だと北村さんは話す。会社で活躍するのは、完璧でなくとも、まずアウトプットをしてみる人だという。「就活生には、色んなことにアンテナを張って、自分で発案する癖をつけておいて欲しい。」

企業が採用活動する目的は、来年4月に一緒に働く、お互いが良いと思える人と出会うためだ。サマーインターンについて、限られた時間で、醍醐味や面白さを理解してもらいつつ「入社後の日々の仕事にいかに近づけるか」意識しているという。ベネッセはテーマを分けているが、どのインターンプログラムにも共通するのが、「自分だったらどうするか」アウトプットしてもらうことだ。関心のきっかけとして、興味が湧くテーマに来てもらえればと語る。

北村さんの入社前後のギャップは「ベネッセは固くなく、フランクな職場。色んな立場の人が話し合っています」(写真=提供)

ベネッセが求める人物像

ベネッセの新卒採用は中身重視だと北村さんははっきりと話す。
①困難に立ち向かう「バイタリティ」
②お客様の課題を解決するという「本気さ」
③その願いを実現するために「挑戦」し続けることができる
という点を見ている。
面接は「どうしてそう思うのですか?」「何でですか?」「例えばどういうことですか?」と、会話形式でキャッチボールを繰り返して就活生の考えやスタイルを知ろうとする。

お客さんのために何かをしたいという思いがある人が良いという。実際の学生には、できるだけ多くの人に影響を与えたい人、ものづくりがしたい人、自分のアイデアを形にしたい人。ベネッセにたどり着いた入口は様々だ。バラバラしたところも特徴かもしれない、と北村さんは言う。

塾生がすべきこと

学生のうちにやっておいた方が良いことを聞くと、「情報感度を高めてみて欲しい」と答える。日々の暮らしで「何でこれ、こんなに安いんだろう」「何でこのアプリ、自分はダウンロードしたままやってないんだろう」などと、色んな出来事にいちいち何だろうと思い、首を突っ込むと見方が変わる。それを言葉にして、心で呟いて、体内にメモをすれば、かけがえのない財産になるのだ。特別な勉強ではなく、日常的に気にして、言語化する人は、社会人になってからも引き出しが多い。

様々な角度から様々な出来事が降りかかり、様々に触れる大学時代。今日から身の回りの「何で」を少しだけ意識して積み重ねてみようと思う。

(高橋明日香)