特記事項は必ず読もう!初めての一人暮らしで気をつけるべきこととは?

進学で初めての一人暮らしをする際、まず物件探しをします。初めての物件探しでは、何に気をつければよいかわからない人が多いでしょう。そのような方に向けて、家賃決まり方や間取りの選び方、不動産屋の裏事情まで物件ジャーナリストの榊敦司氏に話を聞きました。

 

物件探しのポイント

家賃は、駅からの距離でほとんどが決まります。立地が非常に大切な要素なのです。駅別に家賃の相場があり、不動産情報サイトにて確認できます。借りようとしている物件の家賃を相場と比較して、おおよそ高いか安いかを判断した上で決めましょう。相場は築年数10年から20年ほどの一般的な物件を元に作られるため、鉄筋コンクリート造やオートロックの有無、築年数の浅深によって多少前後します。オートロックがつくと家賃が3,000円ほど高くなります。しかし、同じくらいの家賃でも物件の質が大きく異なる場合があるのです。日本のマンションは、分譲用マンションと賃貸用マンションの2種類に分けられます。分譲用マンションは、大手不動産会社が建設した売買目的のマンションで、賃貸用マンションは土地所有者などが建設した賃貸用のマンションです。2種類のマンションでは、家賃はあまり変わりませんが、壁紙やキッチン設備など仕様が異なり、分譲用の方がいい仕様になっています。そのため、分譲用のマンションを選ぶと良いでしょう。日吉周辺にはあまりありませんが、三田周辺には分譲用マンションがあります。

 

間取りは、自分のライフスタイルや好みに合わせて決めましょう。例えば、3点ユニットバスの物件です。3点ユニットバスとは、お風呂、洗面所、トイレが一つになったもので、20年ほど前の物件に多く見られます。近年では、不人気なため、減ってきていますが、自身が気にしない場合、家賃を安くすることができます。他にも、自炊の有無によってキッチンの仕様が変わりますし、机やベッドの有無で部屋の広さが変わります。物件の仕様をよくしたら家賃は高くなりますので、好みやライフスタイルに合わせることが大切です。

 

家賃が安い物件の中には、事故物件があります。事故物件とは、自殺や殺人、孤独死が起きたものや詐欺拠点のような犯罪に使われたものを指します。不動産屋は知っていた場合必ず借主に知らせなければなりません。売買では、2割ほど安くなり、賃貸でも同じくらい安くなると思います。「大島てる」という事故物件をまとめたサイトがありますので、調べてみてください。ただし、情報は個人が入力したものなので、必ず正しいとは限らないので、注意が必要です。

 

賃貸住宅を借りる際は、不動産屋と関わると思います。借りる際には、不動産屋には何でも聞きましょう。不動産屋は聞かない限り都合の悪いことは言ってくれません。嘘はつきませんが、余計な情報も教えてくれないのです。しかし、不動産屋は、聞いたことに対して知っている場合必ず答えてくれます。これは、宅地建物取引業法という法律によって定められています。気になることがある場合、迷わずに聞きましょう。




契約書の特記事項は必ず読もう!

そして、契約書と重要事項説明書は必ず丁寧に読みましょう。これらは、不動産屋さんが借りる際に必ず説明してくれますが、自身であらかじめ隅々まで読んでおくと良いです。

その中でも契約書の特記事項は特に大切です。特記事項には、物件固有の要件が書かれています。しかし、稀におかしな内容が書かれていることがあります。例として、原状復帰や設備破損時の負担に関する内容があります。賃貸において、自然劣化(通常の使用による劣化)は免責となり、不注意や過失による劣化のみ借主が負担します。退去時に壁紙を全て張り替える内容は法律違反になるのです。また、住居の設備が壊れた場合(電球が切れた場合や給湯器が壊れた場合など)はオーナーが直すべきであり、借主は免責されます。借主に負担させる内容も法律違反になるのです。多くのオーナーさんはこのような規約を設けたりしませんが、中には悪いオーナーもいます。引っかかってしまった場合、弁護士を立てて交渉や裁判をする必要があり、大きな負担になってしまいます。こうした状況を避けるためにも契約書や重要事項説明書は熟読しましょう。

 

不動産屋の仕組み

最後に不動産屋の仕組みについてです。不動産屋は仲介手数料として総額家賃一か月分をもらえます。これも宅地建物取引業法に書かれています。家賃1ヶ月7万円の物件では、仲介手数料が7万円もらえるということです。学生にとって7万円は大きな金額ですが、社会人が一日働いて7万円というのは決して大きい金額ではありません。そのため、不動産屋さんは効率的に物件探しを行おうとします。借主と不動産屋では、立場が異なるため、自分たちで調べて納得することが大切です。家を借りる際に大きなミスはあまり起きませんが、住んでみて違うと感じることはあります。住み替えると何十万とかかってしまうため、失敗しないためにもきちんと調べましょう。

 

不動産屋の裏事情もお話しします。賃貸不動産市場は、昔貸し手(オーナー)が強く、礼金という文化が生まれました。礼金とは、大家さんに対してお礼の意味を込めて渡すお金で、家を貸してくれた感謝の気持ちを示すものです。ところが、市場において借り手が強くなり、礼金ゼロの物件が増えていきます。現在は、借り手市場です。そのため、大家さんは空き家を抱えることが増えたため、貸してくれた場合に広告料(業界用語でAD:Advertisement Fee)を追加で支払う代わりに積極的に売り込んでもらう契約を不動産さんと結ぶことがあります。不動産はAD付きの物件を売り込めば仲介手数料が多くもらえるので、積極的に勧めてきます。しかし、AD付きの物件は不動産にとっていい物件であり、借り手にとっていい物件ではないです。ADは基本的になかなか借り手が付かない物件につけます。借り手がすぐに着く物件はわざわざ大家の負担が増えるADをつける必要がありません。ADをつける理由がある物件にのみつけます。そのため、不動産が妙に勧めてくる物件は注意が必要です。

 

賃貸契約にはそれぞれの立場があります。契約書と重要事項説明書を特記事項に注意しながらきちんと読んで、賃貸物件を借りましょう。

 

(小笹山慶一)