【東京六大学野球春季リーグ戦】慶立戦展望

 

 第5週を終えた東京六大学野球。自力優勝が残る大学は、立大と慶大に絞られた。緊急事態宣言の影響で第4週から無観客として開催され、静寂の中行われていた。第6週から上限5,000人で応援団も入れての有観客での開催も決まっている。優勝をかけた天王山となる今週の慶立戦。4年ぶりの優勝を目指す立大と2年ぶりの優勝を目指す慶大。優勝に向けて大事な一戦となる慶立戦の展望をまとめた。

 

優勝の行方

現在の東京六大学野球の順位は画像の通り。今週末の慶立戦で立大が慶大に2勝した場合は、その時点で立大の優勝が決まる。逆に、慶大が立大に2連勝した場合、立大が明大に1敗、もしくは慶大が早大から1勝した時点で慶大の優勝が決まることになる。両校にとって、絶対に負けられない試合であることは間違いないだろう(慶應義塾大学体育会野球部公式Twitterが詳しく載せているのでぜひそちらを見て欲しい)。

 

慶大投手陣

今季の慶大の第1先発は森田(商4)、第2先発は増居(総3)が任されており、リリーフを主に橋本達(環3)生井(総3)が担っている。慶大は先発が長いイニングを投げ、あとはリリーフに任せる形だ。一方立大は、第1先発、第2先発共に池田陽佑(2年・智辯和歌山出身)が担っている。というのも、リリーフ投手の数が多い為、小刻みな継投を使うことができるからだ。ここまでの立大は、池田の次に野口(2年・東海大相模出身)石元(2年・佼成学園出身)栗尾(4年・山梨学院出身)そしてクローザーの宮(3年・國學院栃木出身)と小刻みな継投が功を奏している。ここまでのそれぞれの大学の投手陣の成績は以下の画像の通り。

ここで注目すべきは、森田の制球力だ。21と1/3回を投げここまで与えた四死球は2と規定投球回に達している六大学野球の投手の中でも群を抜いた数字を残している。増居も与えた四死球は5と規定投手の中では2番目の数字だ。5/8(日)に行われた東立戦で、クローザーである宮が咋秋の東大1回戦以来に登板がなかった為、規定投球回に達しなくなったことで、現在の六大学野球投手陣の防御率は1位に森田、2位に増居と上位を慶大が独占している。立大としては、この制球力抜群な慶大の先発陣をどう打ち崩せるかが鍵になるだろう。

中継ぎにも触れておきたい。慶大の中継ぎの要になるのはやはり橋本達弥だ。ここまで、リリーフとして5試合に登板しいずれの試合でもホールドあげる活躍をしている。明大戦で初失点をしたものの安定感は抜群だ。開幕前、主将である福井(環4)は期待の投手に橋本を挙げ、「力のあるストレート、人が持っていないフォーク、周辺技術(牽制やフィールディング)が器用にこなせる選手なので、大舞台で物怖じせず自分のボールを投げてくれる」と話していた。ここまで、中継ぎとしてフル稼働し主将でありバッテリーを組む福井の期待に応える形となっている。また、左の中継ぎとして今年も生井が神宮のグラウンドに上がっている。今季はここまで2試合に登板し防御率こそ5.40だが、ダイナミックなフォームから投げ込まれる150km近い直球は迫力満点。立大戦でも彼の活躍が勝利の要になってくるだろう。

 

 

立大投手陣

立大の先発・池田は防御率こそ2.82とやや苦戦しているが、早大との2回戦、自身最長イニングを投げた東大1回戦と本塁打を除けば、失点は全て初回。また被安25のうち10、四球5のうち3が初回と立ち上がりにはやや不安が残る。慶大は早い段階で池田を捉えられるかが鍵になる。池田の後に控える立大の中継ぎ陣は、今季の六大学野球のなかで最も安定感のある中継ぎ陣であると言っても過言ではない。

 

画像の通り、中継ぎの防御率は未だ0点代と他大学と圧倒的な差をつけて首位に君臨している。この鉄壁中継ぎ陣の中枢を担うのが、栗尾だ。

今季、ここまで栗尾勇摩は全試合に登板。31人と対戦して、許した四死球は未だ0。今季30人以上と対戦して、四死球がない投手は栗尾ただ一人だ。自責点は1点のみで防御率は0.93。独特なフォームから繰り出される縦横共にコースギリギリに投げ分ける制球力抜群の直球と、鋭く曲がるキレのあるスライダーで空振りを奪い、打者を寄せ付けない。

そしてもう一人、立大の絶対的クローザーが宮海土だ。2020年春季リーグ戦から先週の東大戦まで休んだ試合は僅か2試合のみ。立大が誇る鉄腕左腕リリーバーである。ここまで5試合に登板し、未だ防御率は0。何といっても咋年、東北楽天ゴールデンイーグルスにドラフト1位指名で入団した早大・早川投手よりも良い数字を残している奪三振率は今年も健在だ。今季投球回が10回を超える投手の中で、最も高い12.6という数字を残している(2番目には慶大・増居で10.42となっている)。プロ野球界でいうと歴代通算奪三振率1位の元巨人・杉内投手が9.28であることを考えれば、この数字がいかに凄い数字であるかがわかるだろう。また被打率も0.063と10人の打者を相手にした時、ヒットを1本打たれるかいないかという圧倒的な数字を残している。慶大打者陣は、今季ここまで対左投手の打率は.254対右投手の打率が.239とやや左投手を得意にはしているが、簡単に打ち崩せる投手では全くない。この二人の投手が出てくる前に、池田陽佑・野口・石元の3投手から点数を稼げるかが勝負の分かれ目になるだろう。

 

 

(次ページに野手陣の展望)