12月2日・vs北海学園大 124-57○

21年ぶりの大阪開催

ついに全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)が始まった。舞台は大阪市中央体育館、昭和63年以来、21年ぶりの大阪開催である。東京開催の場合、複数会場で大会が行われるが、今回はコートが4つ並んであることもあって、5日間の連戦とタイトなスケジュールだ。
久々の大阪開催ということもあり、関西勢の応援にも熱が入っている。初戦で負けてしまったものの2年連続で関東勢に煽りをかけた立命館大に注目したい。昨年は初戦で青山学院大に屈したものの、68-57と格上の相手に快勝を許さない展開だった。そんな立命館大は今年も関東勢を脅かした。東海大に97-87と勝利は譲ったものの、前半にリードを掴んで東海大のペースを崩した。
そして、注目したいもう1チームは、天理大である。昨年、東海大を下し、準々決勝で慶大とも戦っている。インサイドを固めるサンバと根来を中心に得点をかさねる天理大は、初戦の相手、早大に快勝とまでいかなかったものの、今年もその強さを我々に見せ付けた。

地元大阪で晴れの舞台に立つシックスマン「頑張っている姿を見せたい」
♯15家治・地元での大会ともあり「緊張した」と話していたが、「頑張っている姿を見せれて良かった」と満足げな表情だった。
♯15家治・地元での大会ともあり「緊張した」と話していたが、「頑張っている姿を見せれて良かった」と満足げな表情だった。

さて、慶大の初戦の相手は、昨年も戦っている北海学園大。試合内容としては「トランジションゲームに引き込むことができた」(佐々木ヘッドコーチ)と、慶大の持ち味がでた試合だった。また、ベンチ入りメンバー全員が出場できたこともあり、チームの雰囲気に明るさも感じられた。しかし、全体的にイージーミスが目立った。特に、前半、フリースローのチャンスを何度も逃すシーンがあった(前後半合わせて30本中19本失敗、成功率36.7%)。♯5小林(福大大濠・4年)は「点数が点数なだけに痛い取りこぼしかなと思います」と、その原因について固さや緊張ではなく「(シュート)感覚がつかみにくかったので、試し試しな部分がありました」と、まだ慣れていないことに原因があるということだった。そういった要因であるならば、次試合以降についての不安材料にはならないだろう。
そういったミスがかさんだときに流れを変えたのは、♯15家治(清風南海・2年)である。彼は大阪出身ということもあり、地元での試合に気合が入っていたようだ。
「今までバスケをやってこれたのは、その人たちの(親、高校の先生、地元の友達)おかげなので、頑張っている姿を見せたいと思っていました」
シックスマンとして著しい成長を見せている♯15家治。流れが悪くなった時に速攻からのシュートを決めたりと、積極的な攻撃でチームをいい流れに乗せるきっかけを作った。地元の人たちに「頑張っている姿」を見せれたのではないだろうか。

今日は愛知学泉大との試合。今年に入って、愛知学泉大とは2度試合をしている。組合せが発表された時点から、♯4田上(筑紫丘・4年)は「本当に一生懸命にやるチームなので、そこから気が抜けない」と愛知学泉大に対しては意識が高い。
愛知学泉大と戦うに当たって、「理念の戦いになる」と話していた。「ノーマークでシュートを打つのは原則。確率の低いバスケットではなく、2対1でノーマークで崩していく、守るというのをずっとやってきている。手当たり次第に打つチームには負けられない」とし、「明日は30点差つけて勝ちます」と佐々木ヘッドコーチは具体的な目標を掲げて会場をあとにした。

文:阪本梨紗子
写真:阪本梨紗子
取材:阪本梨紗子、湯浅寛

【本日の写真】

♯7岩下・豪快なダンクシュートで大阪の観衆を沸かせた。
♯7岩下・豪快なダンクシュートで大阪の観衆を沸かせた。

♯6神田智浩・最後のインカレとなる。4年生の意地を見せられるか。
♯6神田智浩・最後のインカレとなる。4年生の意地を見せられるか。