喊声

【喊声】9月号

相田みつを氏の詩に「雨の日は雨の中を/風の日には風の中を」という一節がある。雨や風の日を悪い日だという考えを改め、置かれた状況を受け入れることこそが前向きな生き方なのだ、という意味である

▼先日、電車が運転を見合わせており、終電を逃したことに憤慨し途方にくれていた私は、ふとこの一節を思い出した。そして「普段では見ることの無い景色がきっと見られる」と気持ちを切り替え、街並みや夜空を楽しみながら歩いて帰宅をした

▼「若者は3年で会社を辞める」など、現代社会において若者の忍耐力の無さが問題視されている。しかし、本当に必要とされているものは我慢をするための忍耐力なのではなく、状況を受け入れる心の余裕であるように思われる

▼社会全体が発達し高度化するにつれ、世の中は次々と生活のしやすい空間に変化を遂げている。それゆえ、あることが当たり前だと考えている既存の便利なシステムが停止し、慌てふためく機会がやってくるだろう。しかし、そのような状況に陥ったとしても、心に余裕を持ち、発想の転換を行うことが、状況に応じた最善の策を講じる道しるべとなるのではないだろうか。
(坂元伸光)

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