リーグ戦第4週・vs専修大~高い壁から超えたことの意味とは

10月10日 慶大108-79専修大 ○
10月11日 慶大81-79専修大 ○

リーグ戦の折り返し地点となった第4週。相手は連敗中の専修大。東海大、青山学院大に1勝ずつし、4勝2敗の慶大にとっては、余裕の相手であると思われた。だが、2連勝したものの、ふがいない試合内容となった。1戦目は、中盤の失速が致命的となり、目標の110点に届かず。1戦目の不調は2戦目にも引きずることとなった。

ズレからの悪循環
♯5小林・自身のプレイについて「自分のエゴでプレイしていた」と反省のいろをみせた
♯5小林・自身のプレイについて「自分のエゴでプレイしていた」と反省のいろをみせた

1戦目はスタートから相手を一気に引き離し、60-34で前半を終える。そこから、追い上げられることなく、108-79で勝利をした。ある程度の点差をつけて勝っているから十分じゃないかと言われれば、それまでだが、もっとすっきりとした勝ち方を目指すべきなのだ。事実、インタビューに答えてくれた選手たちの顔は不満げであった。♯5小林(4年・福大大濠)は「今までの試合で一番悪かった」とため息を吐いていた。
そして、2Q中盤でスターターの♯7岩下(3年・芝)がコートから姿を消した。
「リング下でポロポロ落として…『こういう試合だからいいでしょ?』っていうんじゃなくて、こういう試合だからこそ、きちっと決めて、あそこに任せれば大丈夫としたい」(佐々木HC)前週の日大戦の試合後、♯15澤谷(3年・慶應義塾志木)の起用について質問をした際に、佐々木HCは「(起用したのは)練習で頑張っているから…(今後の起用は)練習でがんばんなきゃ、さよならね。(他の選手についても)スタータ―以外はね…スターターもそうかもしんない。本人がぐうたらしたら…」と冗談交じりで話していたが、スターターがコートから不本意な形で姿を消したのである。
♯7岩下だけが不調だったというわけではない。♯16二ノ宮(3年・京北)が「チームとして気持ちが切れてしまったところが悪かった」と話すようにチームとしても、ハーフコートバスケットであったり、慶大の持ち味である速攻がでなかったりと相手に合わせてしまい、プレイに勢いを感じられなかった。
2戦目は、その不調が点数にも表れる結果となった。1Q開始3分で3-11と専修大にリードを許し、2Qで逆転するも再びリードされる。その後も1秒たりとも気の抜けない展開が続き、2点差までに迫られるも81-79で何とか勝ち切った。
♯4田上(4年・筑紫丘)、♯16二ノ宮がファウルトラブルになり逆転されるシーンなどがあったが、「ヒヤヒヤしていなかった」と佐々木HCは話した。ただ、佐々木HCは指導者と学生の間にズレがあったと問題点を示した。
「のんびりやって、できるだけ、こっちへ攻撃をしないという、相手のバスケットは嫌いなもんだから、そこで学生とのすり合わせが上手くいっていなかったかな」(佐々木HC)
一方で、♯5小林は「予想以上にあっちがやってきて、こっちも予想以上にできなかったんで、すごく焦っていました」と話した。その焦りから、シュートが得点につながらず、シュートが決まらないことでさらに焦り、「シュートを打つべきところで打たないだったり、打てないところで打ったり、チームの中で負の連鎖が出た」(♯5小林)、というように選手同士のズレが生じた。指導者と学生間のズレ選手間のズレ、これら2つのズレが重なり、悪循環となって接戦を招いてしまったといえる。

不完全燃焼からの脱却を
♯4田上・ファウルトラブルにも冷静に対応していた
♯4田上・ファウルトラブルにも冷静に対応していた

専修大戦でこんなにも接戦になるとは、予想していなかった。慶大は開幕から、東海大、青山学院大といった強豪チームから戦わなければいけなかった。両者とも1勝1敗とまずまずの結果を残している。序盤から厳しい試合を強いられる不安があったのではないかという懸念もあったが、佐々木HCは次のように話した。
「強いところから我々は当たっていくから、ここでしのいでいけば、後は上手になるしかない。うちはリーグ戦だろうがなんだろうが、いつも決勝だと言ってやってます。傍から見てると『なんでそんなにやらせるの?』と思うかもしれないけど、今日で終わり、今日で終わりという区切りでやってます。(そうすると)成長度合いも大きいので」
しかし、専修大には苦戦を強いられた。リーグ戦の折り返し地点と言える試合であり、さすがに肉体的な疲労が溜まる頃である。さらに、「体の疲れ以外にも多分精神的な疲れもある」と♯16二ノ宮が話すように、精神的な疲労も試合展開に大きな影響を与えた。
♯4田上も「僕自身も少し精神的な面や肉体的な面で、ちょっと下がってきたなというところはあります」と話していた。今後、課題となってくるのは、精神的な疲労である。慶大のスターターはプレイ時間が長いという面はあるが、肉体的な疲労はどのチームも感じているはずで、気持ちの疲労を乗り越えることで今後の試合の行方が左右される。また、♯5小林が話すように「最初に強いところとあたって、最後は順位的に弱いところとあたるというのは、僕らの今回(リーグ戦)の日程で、(強いところから当たったあとに)中だるみしてしまうのが一番怖いですね」と強豪と戦った後であるがゆえに気の緩みが生じているといえる。この精神的な疲労、気の緩みを乗り越えなければ、今後、勝利をしていくのは難しい。
主将の♯4田上は、第2週の青山学院大戦の直後、強豪チームと初戦から対戦したことで、新たな課題を見つけたと話していた。
「東海戦は一週間だけじゃなく、ずっと前からイメージして、いい形で迎えられたんですけど、2戦目に切り替えてもう一度自分たちのプレイに挑戦していくというスタンスを作ることがいかに難しいかというかを学びました。青学戦は、前の一週間の練習でチームの雰囲気や流れを固められなくて。2戦目は1戦目の敗戦がきっかけとしてチームの意識が固まったという印象を受けたので、そこは反省すべきで、どうやって次の相手に1週間で持っていくかが課題だと思いました」
せっかく具体的な課題が見えていたにも関わらず、疲労が理由で反省を活かすことができないならば、強豪チームから戦わなければならなかったことへの意味がなくなってしまう。
次週以降は、東海大に2連勝している中央大、青山学院大に1勝している法政大とまだまだ気の抜けない相手が続く。この専修大戦がターニングポイントとなり、残り3週を満足のいく試合内容で勝利を手にしてほしい。

文:阪本梨紗子
写真:阪本梨紗子
取材:阪本梨紗子、湯浅寛、金武幸宏、井熊里木