企画

パラリンピックで多様性に満ちた社会へ

慶大体育研究所には、オリンピック・パラリンピック論という授業があり、五人の先生が様々な分野に分かれて講義している。主にパラリンピックについて講義する永田直也先生に取材した。

授業について「オリパラは、メディアで取り上げられる機会が多い一方で、まだ知られていないことがたくさんあるはずだ。様々な視点からオリパラについて考えるきっかけになってほしい」と永田先生は話す。選手や大会関係者による講演も授業内に行われる。来年度は、体育学講義の改編が行われるため、名前を変えて春学期のみ開講予定だ。

パラリンピックは、パラ出場選手にとって多くの人に見てもらえるチャンスとなる。国内大会では、観客席に大会関係者しかいないことがよくある。一般の方がパラスポーツを観戦することが少ないのが現状であり、本大会がパラスポーツ発展の契機となることが期待できる。

永田先生の専門分野はスポーツ心理学。心理的な課題のある人がより活躍するために、どうすればいいのかを研究し、選手をサポートする。より強くなりたいという気持ちの点で、健常者と同様にパラアスリートへの特別な配慮は必要ではない。「パラアスリートは、障がいの有無に関わらず、緊張もするし、やる気がないなと思う時もある。パラスポーツを観戦することで、彼らは、自分と同じようにスポーツをしていることが感じられるはずだ」と語る。

パラリンピックの選手は、障がい者の一部でしかないので、一元的な見方は危険だと話す。この理由の一つにパラスポーツでは、障がいの程度により、種目ごとに出場できるクラスが異なるという事実がある。そのクラスに当てはまらなければ、国際大会に出場できないのだ。実際、「パラ開催で障がい者への理解が深まるか」という障がい者への質問調査で、半数以上の人が理解が深まらないと答えている。
永田先生は「パラリンピックを機に施設の改修が進み、快適な移動が可能となることは、障がい者にとってメリットだろう。パラの選手や観光客が来て、現在の施設や道路の舗装の不十分な点に気づくことになるはずだ。本大会を機に、現状の不十分な点を見直し、より多様性に満ちた社会に変化してほしい」と期待を寄せる。
(塚原千智)

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