《いま、メディアの新時代を考える》ネットニュースの公共性 編集者たちの使命とは ヤフー株式会社

ヤフー株式会社 鈴木悠史さん

ヤフーニュースは1996年に運営が開始されて以来、ネットニュースの代表格として多くの人に親しまれてきた。全デバイスでの月間PV数はおよそ150億にも上る。

ネットニュースのありかたとメディアの今後について、ヤフー株式会社メディアカンパニーのニュース編集部に所属する鈴木悠史さんに話を聞いた。

 

ネットニュースの利点と特徴

鈴木さんは、ネットニュースが浸透した要因として、利便性速報性の2点を挙げる。

短い時間でも見ることができるネットニュースは、新聞などのメディアと比べて手軽さという面で利がある。また、媒体社から預かった記事をすぐに掲載できるのも強みだ。

ヤフーニュースは、日本最大級のポータルサイトであるヤフーに掲載されている点や、膨大なユーザーデータが活用されている点など、認知度と情報収集能力で他のネットニュースと一線を画している

ヤフーニュースの他の特徴には、トピックスの記事の見出しを13文字以内に収めることが挙げられる。数千本ある記事の中からトピックスに掲載する記事を考え、見出しを作成する。13文字見出しは突き詰めて考えているという。

スマートフォンが普及してからは、一段とネットメディアの持つ力が増していった。今やパソコンよりもスマートフォンのほうがPV数は多いという。ヤフーニュースとしても、スマートフォン向けのアプリを導入した。プッシュ通知をユーザーに受け取ってもらうことで、ニュースを認知してもらう機会が増した。

 

ネットニュースに要求されること

ネットニュースは速報性がメリットである分、いかに信頼性のある記事を発信できるかが求められる。ヤフーニュースの編集者は、「記事の価値を判断する能力を鍛える」という点に注力しているそうだ。

また、個々人が情報を選択できるようになったことで、受け取られる情報に偏りができてしまうが、その点においても留意している。

「ヤフーニュースにおいては、スポーツやエンタメといった社会的関心の高い記事がよく読まれるが、より多くの人達に知っておいてほしい災害や政治などといった公共性のある記事もバランスをとりながら掲載している」と鈴木さんは語る。記事を掲載する上で、編集者によって細かな配慮がされているのだ。

 

これからのメディアのありかた

これまでは、大衆に同じような情報を同じような方法で提供することがメインだったが、これからは個人に則したパーソナライズ化が進むという。「好きな情報にすぐにアクセスできるのが常識化してきているので、そういった傾向がニュースでも一層強まっていく」と鈴木さんは語った。

一方で、パーソナライズ化が進むからこそ、公共性が高いニュースを発信する意義があるという。

 

塾生へのメッセージ

塾生に向けて、「ヤフーニュース編集者自らの手で情報を選別して発信をしているので、ぜひ編集者の目を信じて多種多様なニュースを見てもらいたい」と語った。

普段何気なく見ているネットニュース。編集者の努力と工夫があってこそ、良質な記事が届けられているということを心に留めたい。

 

(柿崎龍)