情報の価値を計算するのは難しいが、昔と比べてその価値が下がってるのは間違いない。情報はかつて特権階級により独占され大衆は情報を得られなかったが、パブでの会話が情報の発信源となりパブリックの語源になったのは有名な話だ。情報はどこまで公共のものか。見えないものに価値を付けるには、付加価値を乗せる必要がある。誰が情報を発しているか、どこが情報を出しているかを見ることで情報の価値も変わってくる。現代の情報の波のなかで重要となるのは、質の良い情報を自身の栄養として取り入れていくことである。 パブで賑わうオックスフォードの街に面白い標語がある。「勉強すればするほど知識は増える。知識が増えれば増えるほど忘れることも増える。忘れることが増えれば増えるほど知っていることも減る。それでは何故勉強するのか」。環境を広げたら広げたで人間欲がでてくるもの。忘れることが増えても少しずつ心に栄養を蓄えていく日々が続く。その栄養として新聞の話題をつまみに、友達と酒をあおることはこの上ない楽しみとなっている。

(遠藤和希)