《日本の夏、手作りの夏。》海の事故を防ぐ ライフセーバーの仕事

日本の夏、手作りの夏。

林亮太さん

今年も海開きの時期がやって来た。毎年たくさんの人で海水浴場がにぎわう一方、水の事故も後を絶たない。神奈川県鎌倉市では、三つある海水浴場の安全を「鎌倉ライフガード」のライフセーバーたちが守っている。メンバーの一人、林亮太さんは「海水浴場での事故を未然に防ぎ、海に来た人全員に事故に遭わずに帰ってもらうことが一番重要な仕事です」と話す。

大学1年の夏休みに、アルバイトとして鎌倉ライフガードでの活動をスタートさせた。トレーニングなど辛いこともあったが、アルバイト最終日に仕事をやり切った達成感や人のために働くことの楽しさを感じた。その時、ライフセーバーを続ける決意を固め、鎌倉ライフガードに所属するようになったそうだ。

海での事故は、海の状態や来る人などさまざまな要因が重なって起きる。風も波も穏やかな状況だとしても、飲酒した人が海で泳いでおぼれてしまったり、泳ぎに自信がある人でも天候次第で事故に遭ったりする可能性は十分にある。毎日変わる海水浴場のコンディションの中、いかに事故件数をゼロにするかがライフセーバーに求められている。

そのための取り組みの一つとして、ライフセーバーは毎朝全員で海に入り、その日の海の状況を把握している。「海に来る人は海のことをしっかり知らなかったり、分からないということを前提として考え、危険だなと思った人に対しては注意ではなく説明、進言しています」。身だしなみなど礼節には気を配り、悪いイメージを与えないよう心掛けている。

ライフセービングには競技大会も存在する。救助を前提とした日々のトレーニングをレースに取り入れた競技だ。この大会をはじめ、クラブで行う海やプールでのトレーニング、マラソン大会への参加などを通して、体力の向上を図っている。同時にこれらの取り組みは、会員数約1‌0‌0名の大所帯である鎌倉ライフガードのメンバー同士の信頼関係を築き、海の監視業務を円滑に進めることも可能にしている。

「夏の海を事故なく楽しむために、その日の海の天気予報を確認することはもちろん、海に入る前にほかのライフセーバーとコミュニケーションをとって、その日の海にどのような危険が潜んでいるのかを確認してほしいです」。海に行く予定のある人は、このアドバイスを参考にして事故なく楽しい思い出を作ってほしい。

(大津こころ)