「日常を大切にし、部員たちが『ついていきたい』と思うような主将でありたい」

そう語るのは、10年ぶりに関東大学サッカー2部リーグでの戦いが始まろうとしているソッカー部の主将、松木駿之介選手(総4)だ。主将という「見られる立場」において、自らが靴並べや挨拶などを率先し、他の部員たちの行動を引き出したいと考えている。背中を見せて、ついてきてもらう。それが、松木選手の目指すリーダー像のようだ。

来季には1部リーグに戻ることが目標であるソッカー部。1部リーグでプレーすることでプロに声を掛けられる可能性も広がる。今春ファジアーノ岡山への入団が内定した松木選手自身、「先輩方が1部リーグで結果を残していたおかげ」と話す。プロを目指す後輩部員のためにも、1部リーグ復帰に向けてより強い覚悟があるという。

今年度のチームの特徴については「昨年に比べてフィジカルの要素は低下している中で、足下の技術が安定している選手が多い。ボールを主体的に攻めに繋いでいく試合展開にしたい」と語る。

注目のルーキーについて話を聞くと、松木選手と同じ青森山田高校出身の小山内慎一郎選手の名前が挙がった。キャプテンとして全国高校サッカー選手権大会で選手宣誓を務め、チームをベスト8へと導いた選手だ。「これからも青森山田の選手がソッカー部に呼ばれるよう、ともに結果を残したい」

冨田新監督、戸田新コーチの就任が決定し、新たなチーム体制で1部昇格に向けての舵が切られるソッカー部。読者へのメッセージを頼むと、そのような質問が苦手とはにかみながらも、「主将として1年で1部リーグに必ず戻すので、見ていてください」と述べた。

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インタビューを終えて、松木選手の「後輩のために、慶應ソッカー部のために」という強い気持ちが伝わった。その気持ちは、松木選手の言葉、行動を通じて確かに部員にも伝わっていくだろう。1‌8‌0人規模を誇るソッカー部の一人一人がピッチ内外においてどのようにチームに働きかけていけるか。今後の戦いの鍵となる。

(仮屋利彩)