睡眠の効用とは 規則正しい生活習慣を

いよいよ新学期。サークル活動や飲み会などで忙しいこの時期は、生活習慣も乱れがちになる。とりわけ、睡眠時間が取れない、昼夜逆転の生活を送っているなどといった話はよく聞かれる。健康的な生活を維持するために、大学生は睡眠とどのように関わっていけばよいのだろうか。慶應義塾大学スポーツ医学研究センター所長の大西祥平教授にお話を伺った。

慶應義塾大学スポーツ医学研究センター所長 大西祥平教授

そもそも、人間にとっての睡眠とはどういったものなのだろうか。大西教授は、睡眠を「活動の中で壊れたものを修復する時間」だと考える。
日中の活動時には、人間の自律神経の中でも交感神経が活発に働く。これにより、心拍数や血圧が上昇し、精力的に活動できるようになる。一方、睡眠時には副交感神経の緊張度が上がる。消化機能が活性化し、一日の活動の中で消費されたエネルギーを補い、蓄積するのだ。
こうした神経の働きの中で、睡眠が不足するとさまざまな問題が引き起こされる。まず精神活動の中でもとりわけ集中力が低下する。さらに不眠によるストレスから、うつ病、高血圧、糖尿、心臓病などの疾病もまねくという。
では望ましい睡眠とはいかなるものか。大西教授によると、最も理想的な睡眠時間は一日7・5時間であるそうだ。5時間以下の生活を続けていると確実に寿命を縮め、逆に9時間以上でも日中の活動レベルが落ち、身体に悪影響を与えるという。
また、睡眠には量だけでなく質も求められる。睡眠には深さによって一定のリズムが存在し、そのリズムを乱さないことが効果的な睡眠を生むという。乱れの原因としては、過度のアルコールやカフェインの摂取などが挙げられる。毎日決まった時間に就寝することも、睡眠の質を向上させる上で重要となってくるそうだ。
忙しくて十分な睡眠時間を確保できない人にも、睡眠を充実させる方法はいくつかある。アロマテラピーやストレッチは快眠をもたらし、昼間(13時~15時)に20分弱の仮眠を取ることも身体の回復を助ける。
大学生活は自由で、多くの学生は色々なことに挑戦してみたいと考えているだろう。しかし、精力的に活動するには、健康ともうまく付き合っていかなければならない。
大西教授は次のように提言する。「日中、最高のパフォーマンスをするための準備として、十分な休息を取ることが大切。寝るときはしっかり寝る。学生だからというわけではなく、活動の中で自分の社会的責任を果たすために、しっかりと睡眠を取ってほしい」
自由な生活が保証されている時期だからこそ、日常の中でも自らを律することが必要となってくる。こうした心がけで、健康的な生活を送っていただきたい。
(金武幸宏)