SFCで4月から導入されたレジ袋の有料化。導入当初は4月初旬に有料化の試行が終了する予定だった。しかし、はしか休講後、本格的に授業が再開された日に生協を利用したSFC生が目にしたのは、「試行期間の延長」の張り紙だった。

 レジ袋削減プロジェクトを推進する浜中裕徳研究会では、有料化試行期間が始まって以来、インターネット上でのアンケートを実施している。SFCの教職員らで構成される環境委員会は有料化実施以降のレジ袋利用率の大幅低下や前記のウェブアンケートの結果を考慮し、秋学期からの本格実施のためにシステムの改善を検討すること、その間はレジ袋有料化試行を延長することを決定した。しかし、延長が学生に十分に告知されたとは言えない。多くの学生は、6月の最初の授業日にその延長を知ることになった。

 6月25日にSFCオメガ館で行われた「レジ0フォーラム」では、有料化の延長に対して厳しい意見が目立った。浜中研究会も広報が不足していること自体は認識しており、フォーラムでプロジェクトの広報における問題点について意見を募った。しかし、出てきた意見のなかには「有料化をゼロに戻すべき」と言った厳しいものもあった。浜中教授は「現在のシステムには様々な不満の声も寄せられており、システムの改善が必要だと思っています」と言う。

 生協書籍購買部店長の城戸浩さんは、塾生新聞の取材に対し試行期間の延長について、「組合員には引き続き反対の声も多いです。事前の広報が少なかったと反省しています。しかし、有料化ではないにしろ、レジ袋を削減していくことが一番の望みです」とコメントしている。

 実際に生協を使っている学生はどう考えているのか。本紙が独自調査したところ、学生の意見としては、「環境のためにはいいことだと思うが、不便になった」というのが正直な感想のようだ。ただ、なかには「レジ袋だけで環境改善につながるのか」という疑問の声もある。浜中教授は、「レジ袋の削減自体に反対する人は少ない。しかし、有料化という手段は不便であり、利用者である学生に半ば強制的に金銭的負担を強いているという声もある。様々な声を考慮してシステムを検討する必要がある」と、今後レジ袋の削減システムの改善を示唆する。その上で最終実施案を作り、今年の秋学期には実行したいとの意向を示した。 

 今回の試行期間は、何の前触れも無く唐突に延長された、という印象を受けた学生が少なくない。これは、浜中研究会自身が認識しているように、事前の広報不足を物語っている。4月にレジ袋を有料化試行期間が始まったときも、キャンパス内での周知が十分に行き届いておらず、混乱を招いた。唐突なレジ袋有料化に対して、利用者は不満をあらわにすることもあった。今後、本格案が実施されるとするならば、十分な告知と利用者の理解は不可欠だ。

(島津しず香・福冨隼太郎)