朝礼の様子

三田キャンパスの正門、東門で警備員さんの姿を目にしたことがないだろうか。警備員さんは三田キャンパスを毎日警備し、第一線で慶應義塾の安全を守っている。

警備員さんの仕事は朝8時頃に行われる朝礼から始まる。敬礼や発声、回れ右の練習。そしてミーティングを行い、キャンパス内の警備にとりかかる。主な仕事内容は、巡視や訪問者の案内だ。また警備室内に設置されているモニターで防犯カメラの映像を24時間監視している。時には36時間、48時間体制で勤務することもあり、台風の接近といった緊急時や救急車の誘導などにもスムーズに対応している。入試が始まる2月までは入試要項の販売も行っており、午前中も忙しさが絶えないという。警備の仕事は想像以上に大変だ。

三田キャンパスを初めて訪れる人にとって、各校舎の名称は分かり辛い。南校舎を南館と間違える人は多く、2・3年次から三田キャンパスに通い始める塾生や留学生に案内することも多いという。警備員歴2年になる阿部英則さんも各校舎の名称などを覚えることにはじめは苦労したそうだ。しかし警備の上で必要な知識を先輩から教わり、経験を重ねていくことが自分にとってやりがいでもあるという。また阿部さんは「塾生に挨拶されると嬉しく感じます」と笑顔で話してくれた。

警備員さんが巡視中によく見かけるのは、図書館や南校舎の7階、1階のラウンジで熱心に勉強に励む塾生の姿だそうだ。他大学に比べて塾生には真面目なイメージがあるそうで、警備員歴7年になる上田真太朗さんは「グループで討論している塾生の姿を見ると、その熱心さに驚かされます」と話す。特に、六法全書を片手に法律について話す塾生をみると、自分も学生に戻りたいと感じるという。また三田キャンパスに訪れる著名人を案内することも少なくないそうで、タクシーや車ではなく敢えて徒歩で訪れる著名人の意外な一面をみることもあるという。

そんな警備員さんにとって、受験生や塾生に注意してほしいことがある。ひとつは、受験会場である日吉キャンパスと三田キャンパスを間違えて訪れてしまう受験生がよくいる。その際、警備員さんは遅延を取り消すことができないので、受験生は十分に注意してほしいとのこと。また三田キャンパス内で過ごす塾生には、門や校舎の開閉時間、学生団体ルームの鍵の貸し借りの手順に注意してほしいそうだ。

入試のある2月は警備員さんにとって忙しさがピークだという。塾生は春休みに入るが、入試を受ける受験生がたくさん三田キャンパスにやってくるこの季節。今日も警備員さんは慶應を支えてくれている。  (藤浦理緒)