喊声 10月号

小説家マーク=トウェインは著書の中で語った。「アダムはりんごが食べたかったのではない。それが禁じられていたから食べたのだ」▼行為そのものではなく、それが禁止されているということにこそ意味があり、魅力と誘惑がある。それが「いけないこと」であるほど、人は強く惹かれるらしい▼SNSの炎上が止まらない。連日の報道にもかかわらず次々と写真が投稿され、ついには店への迷惑行為により逮捕者が出た。いけないことであると強調されればされるほど悪化しているように思われるのは気のせいではないだろう▼現代社会におけるネットの重要性の高まりとともに、実生活に占めるSNSの比重も増大した。素晴らしい体験や面白いことはネット上で報告すればもてはやされる。「いいね!」やリツイートの数として、目に見える形で「人気」が現れるのだ。たくさんの他者と繋がることができる一方で失った現実のつながりは大きい▼健康を思えばいけないとはわかっているのだが、だからこそ高カロリーのものを敢えて深夜に食べるのがたまらない。フタを開けようとして暫し逡巡、明日の我が身を考える。勝己、結果を鑑みれば衝動には駆られまい。      (萩原愛美)