強敵相手に善戦し、今後も期待ができる

慶大バスケットボール部は、5月上旬に行われた第62回関東大学バスケットボール選手権大会にて、5戦3勝で第10位という成績を残した。昨季準優勝の東海大には終盤突き放され惜しくも敗れたが、順位決定戦では4年生の活躍が光り、格上の大東大に勝利。国士大戦も接戦の末に勝利するなど大会を通して大健闘。早慶戦に向けて期待が持てる内容となった。         (森俊貴・中澤元)

駒大戦○106-73 流れを掴み大量得点で快勝
関東大学バスケットボール選手権大会初戦は駒大とぶつかった。激しいディフェンスでスティールを量産した慶大は106―73で駒大を圧倒した。
序盤、インサイドを固められ攻めあぐねるも、アウトサイドシュートを軸に得点を重ねる。プレスをかけてスティールし、攻撃のチャンスを増やした慶大は52―25で前半を折り返す。
後半、駒大もディフェンスに力を入れる。お互いに潰し合う苦しい展開になるも、終盤は黒木(環2)を軸にオフェンスを組み立てて得点を重ねる。試合終了間際には8秒オーバータイムを取るなど、堅守速攻を軸として、全体として流れを握り続けた慶大が、106―73の100点ゲームで駒大を下した。
良いスタートを切った慶大は次に昨年度リーグ戦王者、東海大に挑む。
東海大戦●63-80差を詰めきれずインカレ王者に惜敗
関東大学バスケットボール選手権大会第2戦目は昨季準優勝した東海大と対戦。粘り強いプレーをみせた慶大だったが、1部リーグの強敵の前に屈し、63―80で敗れた。
第1Qは互いに競り合う展開となり、16―17で終える。第2Qに入って、徐々にペースを奪われ攻守ともに精彩を欠く。相手の連続得点で引き離されると、27―37と10点のリードを許し、前半を折り返す。
後半、「相手に簡単に先行されてしまった」(佐々木HC)と、序盤で20点差をつけられ苦しい展開となる。しかし、大元(環2)のミドルシュートや矢嶋(総4)の速攻で流れを掴み、47―55と点差を一桁に縮めて最終Qを迎える。流れは慶大かと思われたが、インカレ王者の貫禄のプレーで点差を詰めきれず、東海大に突き放された慶大。最終スコアは63―80で敗れ、順位決定戦へ回ることとなった。
大東大戦○66-63 4年の活躍光り格上に勝利
東海大に敗れた慶大は3戦目に1部リーグの大東大と対戦。格上相手であったが66―63で接戦を制し試合に勝利した。
試合開始から格上の大東大を相手に互角の展開が続く。失点が連続する場面もあったが、主将蛯名(法4)の粘りのあるディフェンスでこらえ、14―18の4点ビハインドで第1Qを終える。
第2Q、お互いに得点できない苦しい時間が約4分間も続く。沈黙を破ったのは矢島(総4)のミドルシュート。そこから一気に流れを掴んだ慶大は、持ち前の堅守速攻のスタイルでスティールを量産する。攻撃の機会を増やし得点を重ねた慶大は、31―24の7点リードで前半を終える。
後半開始直後、大東大に連続得点を許し、一時は同点まで追いつかれるものの、副将田中(環4)を筆頭に4年生がチームをリードし、なんとか点差を守り抜く。最後まで1点を争う激しい展開が続いたが、66―63で大東大を下した。
この試合を通し、「1部のチームに勝てたのは大きな収穫。4年が練習の成果を出せた試合だった」と佐々木HCは語った。
国士大戦○67-63 点差ひっくり返し逆転勝利収める
勝てば10位以内が確定する試合は2部の強豪、国士大との対戦となった慶大。前半こそリードを許すも、後半に逆転し、67―63でシーソーゲームを制した。
前半から相手にリードを許し追いかける展開になったが、大元(環2)の得点で踏みとどまり、第1Qを15―19で終える。第2Qに入っても拮抗した展開は続き、終盤に相手エースに連続得点を許し、28―34で前半を折り返す。
後半に入って流れを掴みたい慶大だったが、一時相手に二けた差のリードを奪われる苦しい展開に。しかし、矢嶋(総4)の積極的なオフェンスや蛯名(法4)のフリースローで逆転に成功し、49―45で最終Qを迎える。序盤に権田(法3)が負傷退場し、嫌なムードが漂ったものの、リバウンドからリズムを作り、最後は本橋(環4)の得点で勝負あり。67―63で見事な逆転勝利を収めた。だが、負傷しコートに戻ってくることはなかった権田は、次の9位決定戦に向けて不安材料となってしまった。
神大戦●88-90 リード守れずOTで敗戦
今大会最終戦は神大との対戦。今季、同じ2部リーグで競う強豪との一戦はオーバータイムにまでもつれたが、惜しくも88―90で敗れた。
前半、8連続得点で流れを掴みかけたが、相手のオフェンスを止め切れず、14―20で第1Qを終える。第2Qも相手の攻撃に押されてしまう。だが、この日フル出場した黒木(環2)の得点や矢嶋(総4)の3Pシュートで詰め寄り、31―34で前半を終える。
後半、今大会伸び悩んでいた大元(環2)が爆発する。バスケットカウントやスティールなどでも好機を作り、リードを奪うと、59―53で勝負の最終Qへ。最終Q序盤で、連続得点から蛯名(法4)のリバウンドシュートでリードを7点差とする。しかし、神大がエースを軸に猛攻を見せ、77―77と同点でオーバータイムに突入する。
延長に入って蛯名のファウルアウトもあり、相手の攻撃をこらえ切れず、88―90で悔しい敗戦となった。
試合後、蛯名選手は「相手のエースを抑えるという仕事ができず、勝ち試合を逃してしまった」と悔しさをにじませた。佐々木HCも「ただで負けるわけにはいかない」と早慶戦を見据えた。