「この夏ぴったりのサイダーを教えてください」。夏はまだ遠い6月某日、1件の依頼が舞い込んできた。

「美味しいサイダーを取り上げたところで、ボキャ貧だから伝えられん」と頭を抱える所員KY(法2男)。「だったら個性的なサイダー取り上げればいいんじゃね」と所員FJT(経2男)が鶴の一声。そこでKYらはご当地限定のユニークな「地サイダー」をいくつか購入した。事務所で試飲の準備をしていると美味しいサイダーが飲めるという噂を聞きつけ所員T美(法2女)とT郎(理1男)が入ってきた。

 

◎小樽うにラムネ

そのネーミングのインパクトとウニを彷彿させるオレンジ色の液体に場が凍った。「美味しいサイダーじゃないの? 1・2女会を断って来たのに!」とT美。なぜ1・2女会を断ってしまったのだろう。全く以て意味不明だ。

原材料名に「ウニ」の文字が無いことを確認し飲んだ。ウニ風味だからか若干の塩味という点以外は普通のサイダーだった。美味しいという意見もあった。

 

 

◎仙臺牛たんサイダー

開封すると牛タンの香ばしい香りが事務所中に広がった。一口飲んでみると想像をはるかに超える再現度の高さに一同驚く。正直に言って不味い。「だったらこれと合わせて飲めば美味しくなるのでは」とKYは白飯を配り始めた。白飯と合わせて飲んでみたところ意外にも相性は良かった。

 

◎よこすか海軍カレーラムネ

栓を開けた途端、今度は事務所の匂いが牛タンからスパイシーな香りへと変わった。カレーをイメージさせるその黄色いサイダーを飲んでみたところ、味は甘く舌にピリリとした刺激が残った。「ご飯にかけたらカレーライスじゃん」とKYはカレーラムネを白飯にかけ食べたが、大変相性が悪かったのでおすすめしない。

 

◎うなぎコーラ

「うなぎエキス入り」の文字にビビる一同。コーラの色とも蒲焼きの色とも取れる赤褐色の液体は恐怖でしかない。恐る恐る口にしたところ、若干の塩味はあるものの基本的な味は普通のコーラと変わらず拍子抜けしてしまった。

 

 

◎富山ブラックサイダー

富山県のソウルフード「富山ブラック」と同じ漆黒のサイダーは、醤油ラーメンのような匂いを放っていた。味に関しては、醤油ラーメンを甘くしたような味で、のどに胡椒の辛さが残った。一同「これはヤバい」と顔をしかめる。ラーメンスープのような味なので、ご飯に合うという意見があった。

 

 

◎神戸ステーキサイダー

麦茶のような色をしたサイダーを開封すると、ステーキの匂いがした。皆の顔が暗くなった。「せーの」のかけ声で覚悟を決めて飲むと、口いっぱいにステーキの味が。今までと比較のできないほど圧倒的な再現度の高さと不味さを誇っていた。全部飲むのが辛い。飲み終わると皆トイレに駆け込んで行った。「罰ゲームに最適」とFJT。

ちなみに調査終了直後のT郎宅の夕食はステーキだったそうだ。「軽くトラウマです」

 

◎もみじ饅頭風味ラムネ

メインディッシュの後はデザートの広島名物「もみじ饅頭」だ。T郎の「匂い付き消しゴムみたいな匂いがする」という意見に一同納得。飲んでみると餡子のような味がして美味しいと高評価。「ステーキの後だから何でも美味しい」

 

 

 

◎長崎かすていらサイダー

某番組で美味しいサイダーとして取り上げられていたので、安心して飲めると思い最後まで取っておいた。するとT郎が異変に気づく。「これ王冠だ」。あいにく事務所には栓抜きはない。飲むのを諦めようとしたが、某デラックスさんが「美味しい」と言ったのだから、飲まないわけにはいかないだろうということで、KTが夜の日吉を走った。1080円の栓抜きを使って無事開封。一同飲んでみる。しばし沈黙が続き誰かが「美味しいか?」と一言。「うーん、甘い薬っぽい」「後味は確かにカステラっぽいけど、言うほど…」所員の間では意外にも不評だった。

 

 


※今回所員が飲んだサイダーは是非試して頂きたい。家族や友人同士で楽しめるだろう。調査終了後T美が一言、「サイダーは甘いが心は苦い」。
(クズ山本略してKY)