3月19日~21日、第12回東京六大学バスケットボールリーグ戦が開催され、慶大は2位という結果に終わった。4年生が引退し、チームの装いも新しくなってから最初の戦いであり、期待と課題が散見された。

まず、チームの中核をなしていた福元直人の後を継ぐのが、新主将の西戸良(総3)である。1‌7‌6センチと福元より10センチほど小柄ではあるが、そのゲームメイク能力と高いパスセンスで多くのアシストを量産した。シュート本数に対する成功率も比較的高い割合で推移している。

新戦力の奮起が期待される(写真はサワ)
新戦力の奮起が期待される(写真はサワ)
次に、長らくゴール下を支えてきた黒木亮の代わりとなるのがトカチョフ・サワ(環2)である。1‌9‌2センチの恵まれた体格を活かしたゴール下でのポストプレーが強力な武器であり、チームにとって必要不可欠な存在となっている。しかし、リバウンドにおいては不安要素が大きい。当たり前に取ることのできるボールを取りこぼしてしまわないようにするなど、ファンダメンタルの強化は必須である。

また、もう1人高身長のプレイヤーで注目すべきは昨年度に新加入した高橋晃史郎(法2)である。サワ同様1‌9‌0センチ越えの身長を持ち、これからの活躍に期待がもてる。ミドルレンジのシュートも決めることができて、非常に器用なプレイヤーだ。また数少ない左利きのプレイヤーであり、それが良いスパイスとなって攻撃の幅がより広がることだろう。


西戸、サワ、高橋など期待のもてる選手がいる一方、不安な点もある。それは大元孝文のような超攻撃的な選手がいないという点である。これまでの試合では大元の積極的な攻めの姿勢から得点を重ねて勢いに乗る、というパターンが多く見られた。大元が引退した今、誰がポイントゲッターとしての役割を果たすのかということが今後の課題となる。

また、ベンチの層を厚くすることも急務である。スターティングメンバ―と同等にプレーできるほどの技量を兼ね備えたシックスマンを育成することが、疲弊することなく一試合を全力で戦い抜くためのカギとなるだろう。

今回の六大学バスケでは、まだ新体制に慣れていないせいか、連係がうまく取れず冷静さを欠く場面が多かった。今後どのように信頼を築いていき、息の合ったプレーを見せてくれるのか期待がかかる。
(山手涼馬)


六大学バスケ 戦評