在学中はフランス史を専攻した松見氏
在学中はフランス史を専攻した松見氏

4月、入学と同時に一人暮らしを始めたり、コンパなどに参加したりする機会も多いこの時期は、多くの学生の食生活が乱れがちな季節でもあると言える。
そこで今回は、慶應義塾大学文学部卒で料理研究家の松見早枝子氏に食と健康に関するお話を伺った。
もともと食事を大切にするお母様のもとで育った松見氏は高校生の頃に、料理雑誌の編集や料理本の出版をしたいと決意。慶大に進んだのも「フランス語やフランス文化は、料理研究に通じるところがあって、自分の進路に必要だったので」と話す。
食べることが大好きで、学生時代も休暇を利用してフランスへの短期留学を重ねた。ホームステイ先でフランス家庭料理を教えてもらうことで、より料理への関心が高まったという。
卒業後は多様なメーカーや雑誌のニーズに合わせ美味しい料理を考案する料理研究家の道へと進む。
「美味しくて美容と健康によく、作りやすい料理」を研究する松見氏は、学生の食事と健康に対し、こう話す。「学生さんには、食べ物のことをもっと知ってほしいです。時間がある今だからこそ、得意料理を一つでも作れるようにしておいたり、健康に興味を抱いてほしい」。「食」はどんな人とも通じ合える話題なので、社会に出てからも役立つのだとのこと。
「外食は知らず知らずに余分なものを体に入れてしまいがち。スープでもパスタでも炒め物でもいいので一食は必ず自分で料理を作る習慣を作ってあげるだけで、体への負担は違うと思います」。
これは一人暮らしでも実家暮らしの人でも実践してほしい、とアドバイス。
また、料理は五感を使って作るものであるため、創意工夫ができ、自分の感受性も高められる作業だという。「せっかく料理をするなら、ただ食べるために行うのではなく、+αで感性も養ってほしい」。料理を通して得たものは、社会人になって大きな財産になったと振り返る。
モデルや女優業も務め、2003年度のミス・インターナショナル日本代表にも選ばれた松見氏。体と心の健康は、他人から見た自分の雰囲気につながることも実感した。「食べる物と心はつながっていて、体が健康だと心も元気になっていく。健康にしようと思うことは、自分を大切にすることであり、それはオーラに明るさとして出て、周りに伝わっていきます」。 自分の心や体、健康と向き合っている人は、自然と魅力的になっていくという。
一方で、食べ過ぎたり、飲みすぎたりした日は、次の日の食べる物や生活に気をつけてリセットすればいい、とも話す。「なんでもいい子でいようとしなくていいんです。学生にしかできないことは他にもたくさんあるし、たくさんやってほしい。ただ、料理はこれから必要なんだということを心に留めておいてほしい」と、松見氏は語る。
無理のない程度に健康を意識して生活していくことで、体だけでなく心も元気になっていく。人が生きていくうえで欠かすことのできない「食事」。新しい学期が始まる今、自らの体と心と向き合う時間を設けてみてはいかがだろうか。
(梅山紗季)