交流深める医療系3学部 医療系学部生の学生生活とは

3学部の学生が一堂に会した合同教育プログラム
3学部の学生が一堂に会した合同教育プログラム

 6月11日に日吉キャンパスにおいて、医療系3学部(医学部・看護医療学部・薬学部)の合同教育「グループアプローチによる患者中心の医療実践教育プログラム」が開催された。
 このプログラムは今年度から医療系学部の必修科目として本格的にスタートしたものであり、今年度は計3回の開催を予定。第2回となる今回は学部1年生を対象としたものだ。
 今回の内容は慶應義塾大学病院の副院長である高橋孝雄教授の講話について感じたことをグループディスカッションするというもの。3学部の1年生はほぼ初対面であるにもかかわらず、小1時間ほどで意見をまとめあげ、医療の現場でもチーム力を問われる3学部ならではの連携をみせた。    
 その後、各グループの代表者が参加者全員の前でグループの意見を発表。3学部をひとつのキャンパスに集めるというものや、チーム医療をサッカーに例えたものなどユニークな発表の数々に会場全体は終始盛り上がりを見せた。
 参加した1年生に感想を聞くと「医師、看護師、薬剤師それぞれの立場の医療に対する考え方の違いを理解することができてよかった」と田中優衣さん(医1)。
 今回のプログラムには、1年生の誘導などを行うために学生団体CISCAも参加。CISCAは「医療系3学部の相互理解を深めて将来のより良いチーム医療に活かすこと」をビジョンとし、ボランティア活動、講演会の主催、文化祭出展などを行っている学生団体だ。
代表の野原弘義さん(医4)は昨年度までは開講されていなかった授業のため、機会に恵まれた1年生がうらやましいと話す。
「キャンパスが別々の場所にあることが難点。チーム医療に関心があっても距離的、時間的な問題で交流をあきらめる学生もいる」と現状の課題を指摘した上で、「今回のような必修授業がもっと増えるといい。将来的には3学部のキャンパスが同じになれば」と今後の3学部の交流に期待を寄せた。
 プログラムの責任者である薬学部の江原吉博教授は「普段の授業では見られない積極的な学生の姿に頼もしさを感じた」と感想を述べた。
 そもそも医療系学部生は普段どのような学生生活を送っているのか。その実態は、慶應医学部の輝かしい研究成果や業績からだけでは分からない。そこで今回はそのリアルな学生生活に迫るべく、CISCAの皆さんにお話をうかがった。
 医学部の授業は1―4限が全て必修であり、毎日内容が変わる。実験も多く、さらに学部上級生になると大学病院での実習も行う。「解剖実験でカエルを逃がしそうになって焦りました」と医学部らしいエピソードを披露してくれたのは野崎翔太郎さん(医2)。
 看護学部、薬学部も同様に必修授業がびっしりと入っており、忙しいの一言だという。会田法子さん(看4)は「看護学部では、授業は前から席が埋まっていく」と話す。
 こうして聞くと学業のみに専念していると思われがちな医学部生だが、意外にも8ー9割が医学部体育会に所属。スポーツを通して医療に必要な体力を養っているともいえるだろう。
「医学部は日吉のサークルへの入部に制限がある。それに比べて薬学部は制限が緩いのだが、授業カリキュラムの問題でなかなかサークルに行けない」と嘆くのは長野美保さん(薬4)。
 このように、医療系学部生は普通の学生生活に憧れる部分も大きいという。高見澤重賢さん(医4)は「信濃町キャンパスは大学病院と併設されているため、大学という雰囲気があまり感じられない。学生が通えるような飲食店も少ない。三田キャンパスにも通ってみたかったですね」と話す。
最後に将来の抱負を聞くと「看護と介護を結ぶような地域ネットワークを作りたい」、「ノーベル医学賞をとりたい」、「慶應大学の医学部長になりたい」とそれぞれの夢を笑顔で語ってくれた。 
 世界から注目を浴びる慶應の医療。それを担っていく医療系学部生は、明るくパワフルで頼もしい存在であった。  (竹田あずさ)