白熱教室JAPAN 「受け身」から抜け出して

教壇に立つ高木教授(写真はNHK提供)
教壇に立つ高木教授(写真はNHK提供)

新学期。入学式の華やかなムードに浮かれてばかりはいられない。履修選択に頭を抱える塾生も多いだろう。有意義な時間を過ごせる講義とはどのようなものなのか。今回はNHKの「白熱教室JAPAN」に出演した慶應ビジネススクールの高木晴夫教授にお話を伺った。
昨年、ハーバード大学のサンデル教授による「白熱教室」が話題となった。日本の大学でも「白熱教室」のような討議型・双方向型の授業は行われているが、あまり広くは知られていない。このような授業を紹介する番組がNHKの「白熱教室JAPAN」である。
教授は番組に出演した理由について、「慶應ビジネススクールではすでに40年以上前から討議型の授業を行っている。このことを日本の皆さんに知ってもらう機会になればと思った」と話す。
高木教授が担当する授業の放送は2月6日から27日。高木教授はケースメソッドの第一人者として、人が会社を辞めたくなる要因をもとにビジネスにおけるキャリアと成長を考察した「彼女が会社を辞めたくなるとき」や、実際に、ある社長が行なった会社改革の軌跡を辿り、トップリーダーの組織変革について考える「社長はなぜ失敗したのか」など、合計4つの授業を担当。撮影はいつもの教室で、あくまでも教授と学生が普段通り授業を行っている様子を収録するという形で行われた。その中で教授は、慶應ビジネススクールにおいては、教師と学生の熱い議論が繰り広げられる「白熱教室」はあまり珍しいことではないと感じたという。
教授は、日本の大学教育において討議式の授業が話題になっている背景として、学生の「受け身性」を指摘。「大学教育に限ったことではないが、日本の教育は授業や講義を『受ける』という感覚で理解していることが多い。この状態を良くないとは思いつつも、どうすべきかの一歩が踏み出せない人が多くいる」と話す。
討議式授業は学生のどのような力を伸ばすのだろうか。これについて教授は、「極めて単純だが、自分で考え、自分で周りの人々にそれを言い、同時に周りの人々が言うことを理解する。これを常時行える力を伸ばす」と説明する。この力をつけた人々が集まり仕事をし、社会を作る。このことが新しい何かを創り出すことに繋がるという。
最後に塾生に向けてアドバイスをお願いすると、
「講義を受ける、という言葉が自分の口から出たとき、すでに受け身性を持ってしまっていることに気づいて欲しい。自分の受け身の姿勢に気づいたら、教室に行き、先生に働きかけるという積極性を持ってください」としたうえで、「先生に質問をしても、仲間とその授業で出されたことをグループ討議してもよい。そして授業がつまらないなら、つまるように学生が先生に要求することもできる。先生はびっくりして、今年の学生はどうしてこんなにやる気があるのか、と問うでしょう。その時にはこの塾生新聞を読んだから、と答えてくれる人がいると嬉しいですね」と語ってくれた。
(竹田あずさ) NHK「白熱教室JAPAN」は毎週日曜 教育午後6時から6時58分