優勝した律法会のメンバー(写真提供=律法会)
優勝した律法会のメンバー(写真提供=律法会)

 律法会は「頭を使う体育会」

末川杯争奪法律討論会(以下、末川杯)を知っているだろうか。末川杯は、毎年10月下旬に立命館大学で行われる全国規模の法律討論会だ。今年で59回目を迎えた。今大会で、慶大が優勝し、見事6連覇を成し遂げた。
 今年10月23日の末川杯には、慶大のほか、関東・関西の大学計9校が参加した。この大会では、まず立命館大学の教授により論題が出題される。その論題に対し、各大学1人ずつが論旨を発表。他の大学からの質問にも答え、論旨発表点と質疑応答点により優劣を競う形式をとる。
 慶大では毎年、代表の座を律法会と十八人会で争っており、今年は律法会が代表に選ばれ、立論の部で尾嶋翔一さん(法2)が優勝、質問の部で斉藤繁人さん(法2)が2位を勝ち取り、慶大を6連覇へと導いた。今回は、尾嶋さんと、同じく律法会で活躍されている今村大全さん(法2)、澤田駿さん(法2)にお話を伺った。
 「末川杯に向けて、自分の意見をまとめることと、他大学代表からの質問に答えられるようにすることに力をいれました」と尾嶋さんは語る。 そのために、様々な本を読んで準備をしたそうだ。律法会の仲間との話し合いや協力も優勝には欠かせなかったという。律法会は「頭を使う体育会系」だという澤田さんの表現からも、彼らの真剣さが伝わってくる。
 「もっと多くの人に末川杯について知って欲しい」と尾嶋さんは言う。「討論」という言葉に対し、近寄りがたいイメージを抱く人は多いかもしれない。しかし、尾嶋さんによると、末川杯では身近な事柄がテーマとして取り上げられていることが多いそうだ。
 「法律に興味がない人でも、仲間と協力しながら、議論する力を身につける機会を得られるのでもっと注目して欲しい」と尾嶋さんは語る。
 インタビュー中、尾嶋さんは、緊張しているそぶりは全く見せず、穏やかに微笑みながら丁寧に質問に答えていた。そのような穏やかさや冷静さは、討論を繰り返してきたからこそ培えたものなのだろう。論理的な世界に触れてみるのも面白いかもしれない。
        (加藤早紀)