常に「新たな自分」を求め、それに向かって前進する。慶大の1年生にはそんな人がいる。
今回お話を伺ったのは総合政策学部1年生の長竹慶祥さん。彼は、受験戦争に燃え尽き、なんとなく日々を送りがちな一般の大学1年生とは一味違う。
中学1年生からジャグリングのパフォーマンスの世界の魅力に引き込まれ、2007年IJAジャグリング世界大会Jr.部門にて大会初経験にして初優勝。16歳の若さにしてジャグラーSenjyuの名でその存在を世界に広く知られるようになった。
その後TBS「あらびき団」など数々のメディアに出演し、フジテレビ「あっぱれ!!さんま新教授」出演時にはSFCの先輩である水嶋ヒロさんにジャグリングを指導。「ジャグリング王子」としてメディアにも注目されている。
「大学を選んだ理由は討論など、SFCの参加型授業に惹かれたからです。意欲があれば何でも学べることに加え、慶應生の人脈は大学内に留まらないところも魅力的でした」と語る。

授業もパフォ-マンスに活用

長竹さんは大学の授業や環境を自分のパフォーマンスや将来像に活用する事にも余念がない。特に入学後は、「社会企業論」の授業に熱心に取り組んでいるという。社会問題をビジネスで解決する方法を模索するこの授業において、パフォーマーが広告塔となり、企業、観客、そしてパフォーマー全てにメリットがある「アドバタイジングパフォーマー」の考えを構築している。「自分の技術、知名度を上げるところから努力をし、成功したモデルの代表として、この考えを広めていきたい」という長竹さん。その為に、静岡県の成人式でゲストパフォーマンスをしたり、シアター公演の練習をしたり、決して立ち止まらない。「皆を笑顔にさせたいという思いが常にあります」
目標は日本におけるエンターテインメントの地位向上。ジャグリングの大道芸としての一面だけではなく、コミュニケーションツールやアート、スポーツなどとしての色々な魅力を伝えていきたいという。
「様々な分野に興味を持って、自分の核を早く作ることが充実した大学生活を送るポイント。あと、入学前に友達を作ることは大切だと思います。慶大生は社交的なので、一人友達を作ると、その人からどんどん友達の輪が広まっていきます」と未来の後輩に向けてアドバイスを送る。
大学生という貴重な時間の中で、目標に突き進むことの価値を長竹さんは教えてくれた。  (西村綾華)
写真は長竹さん提供