渋谷ヒカリエ、渋谷ストリーム。これらの建設によって「若者の街」から、「大人も楽しめる街」に変貌を遂げた渋谷。様々な顔を見せる渋谷は、個性的で魅力的なスポットも多い。中でも今回、空きコマに訪れるのにオススメな2つのスポットを紹介する。

 

明治神宮

JR原宿駅の表参道口を出て神宮橋を渡ると、荘厳な鳥居に目がいく。明治神宮への入口だ。鳥居の先には森に囲まれた参道がつづく。

明治神宮への入り口

明治天皇崩御の際、京都の伏見桃山御陵とは別に、人々が東京で明治天皇を偲ぶよすがを求める声から生まれたのが、明治神宮である。神社創建の際には、全国から約10万本の献木があった。我々がくぐってゆく森はそれらの献木から成る人工林である。森の中の参道は涼しく、木々の間から光が差す。参道の真ん中は正中と呼ばれ、避けて通るのが良いという。我々は参道の端を進んだ。

大きな鳥居をさらに2つ越えた先の境内で総務部広報調査課、権禰宜の平尾旨鏡さんに話を聞いた。明治神宮は明治天皇と昭憲皇后をお祀りする神社として大正9年に創建された。昭和20年に戦災で一度焼失したが、現在の社殿の多くは昭和33年に再建されたものだという。オススメのスポットは御苑。四季折々の自然が楽しめる。

境内

参拝の前に心身を清めるため、手水をとってから参拝する。今回、直接手水の作法を教わった。柄杓に水を汲むと左手、右手の順に手を清める。次に水を左手にすくい口を清める。その後左手をまたすすぐ。残った水で柄杓を流せば終了だ。冷たい水に心身がさっぱりした。

明治神宮は絶好の写真スポットでもある。拓けた空間に堂々と立っている本殿自体、どの角度からでも写真映えする。

神社の細部を見てみよう。向かって左側に寄り添って立つ二本の木。これらは夫婦楠と呼ばれ、縁結び、夫婦円満、家内安全の象徴となっている。また建物の様々な場所で見かけるハート模様。猪目(いのめ)と呼ばれ、火除けの象徴である猪の目をモチーフにしたものだという。そして建物の上部に見られる蛙股。蛙の足のように見えることからそう名付けられたそうだが、神社によってモチーフが異なるそうだ。昔の人々の独特の美意識が窺える。

蛙股

深い森に囲まれた神社の凛とした佇まいは、創建当時の日本を想像させる。それもそのはず、この森は創建当初から自然の循環に任されているのだ。荘厳な杉の森にしたいという、当時の首相である大隈重信の意見を覆し、未来を見据えて土地に合う照葉樹が植えられたという。現在明治神宮で見られる美しい森は、当時の壮大な構想と、今まで護り育ててきた先人のまごころの賜物なのだ。

2020年に創建100年目を迎える明治神宮。現在は記念事業として建物の修繕が行われ、明治神宮ミュージアムも今年の10月26日に開館予定だ。巨匠隈研吾氏によるデザインである。この機会に、明治神宮での特別なヒーリング体験はいかがだろうか。

 

VREX 渋谷宮益坂店

渋谷のハチ公前広場から山手線の高架下を進み、シブヤボウリングの裏道に入る。そして見えてくるのが、次の目的地、VREX 渋谷宮益坂店である。ここはカフェでありながら、最近流行りのVR・ARゲームを楽しむことができる。白と紫を基調とした店内に入ると、まるで近未来に迷い込んでしまったかのように感じられた。店内は、ゲームを楽しむ子ども達と、彼らを見守る親御さん達で賑わっていた。

最初に、私たちは腹ごしらえをすることにした。今回注文したのはケーキセットだ。

ケーキセット

このケーキセットは日によって異なるケーキが提供される。この日はミルクレープだった。ケーキの上にふんだんにまぶされたアラザンが、宇宙を連想させる。ミルクレープにマンゴーとキウィのジュレがマッチしていて、非常においしかった。そして、ケーキセットはケーキにドリンクバーがついており、学生にも大満足なメニューとなっている。

ケーキセットを含む、ドリンクバーがついたお得なランチは平日限定となっている。大学生には是非、平日の授業の合間にでもランチを堪能してほしい。

ランチ以外にも、牛乳瓶をモチーフにしたタピオカ、チアシードを使ったスムージー、VRゲームのコンセプトを生かしたフードなど、バラエティー豊富なメニューが揃っている。このカフェのフレンチ出身の店長が、VRやARに合う料理を求め、試行錯誤しながらメニュー開発をしているという。

そして我々はお目当てのVRゲームに初挑戦することにした。VRゲームは一回700円程度で、長さは5分で終わるものから、30分程度かかるものまで様々にある。今回私は三つの体験型VRをプレイしたが、その中でも一番面白かった、urban kickwayというゲームを紹介したい。urban kickwayとは、キックウェイという動く乗り物に乗りつつVRゴーグルをつけて遊ぶ、ジェットコースター体験型ゲームである。プレイ時間は5分程度と、空きコマにもちょうどよい時間ではなかろうか。実は当初私は、VRを体験している自分を他人に見られるのが恥ずかしく、あまりVRゲームに乗り気ではなかった。しかしVRゴーグルをつけると、私にとっての現実はVR内の映像となり、抵抗感は消えた。VRの魅力は、人々にVR空間を現実として錯覚させる効果があることだと思う。他にもこのゲームには、ゲーム空間を現実と錯覚させる効果が所々施されていた。ジェットコースターが曲がるときにはキックウェイも曲がり、下るときには目の前の機材から風が吹く。仮想現実には動じないと考えていた私も、何度もキックウェイから落ちかけ、叫び声をあげてしまった。

VRのダンスゲームに没頭している記者たち

こうしたVRの迫力は一度体験してみないと分からない。VREX 渋谷宮益坂店では、大学生は800円の学生割引が効くため、お得にVRゲームを楽しむことができる。日常の喧騒から逃れ、異次元空間を堪能する空きコマもたまにはよいのではないか。