BuzzFeed Japan株式会社は、SNSを駆使し若者を中心とした多くの読者に、SNSを通じて多様な記事を届けるオンラインメディアの会社である。3年前日本に進出し、時事系の記事はもちろん、娯楽系の記事も豊富で定評を得ている。

オンラインメディアは、今までの新聞やテレビといった媒体に代わり、ポータルサイトやSNSなどのツールを使用する。そのため、知人同士で共有したり話し合ったりするコミュニケーションの場ができやすく、より多くの人に伝えられる可能性を秘めているところが利点である。

BuzzFeed Japan は配信するプラットホームの特性やユーザー層をもとに研究し、試行錯誤を重ねることでその可能性を最大限に広げている。また、最新テクノロジーについての研究にも力を入れているそうだ。常に時代の変化を捉えるその姿は、まさに現代社会の先陣を切る企業の姿である。

 

BuzzFeedの独自性

BuzzFeedでは、一般の新聞社や出版社とは異なり、見出しや題材に関して決められた型は無い。つまり記事の大半は記者に任されるため、実に柔軟性が高い労働環境であるということだ。

「自由に書いていい」ということこそ最も難しいことかもしれない。個人の責任や読者の期待も同時に大きくなる。しかし、そのような状況でこそ、本心のままに書くという意識を持つことが大事だと、編集長である伊藤さんは言う。記者がまっすぐに向き合って執筆した記事は読者も信頼できる。

自由である一方で、「人々にjoy & truthを与える」という同じ目標を掲げ、社員一人一人が芯を持ちながら取り組んでいるストイックな一面も持ち合わせている。

柔軟性と厳しさを兼ね備えた会社だからこそ、政治情勢や社会問題などの時事ニュースと、くすっと笑えて時にはほっこり心温まるエンタメニュースを、どちらも偏りなく発信できるのだろう。

 

オンラインメディアにおける「シェア」

「ニュースを見て選挙に参加したり、発展途上国の支援に携わったりすること。特集されていたコンビニのおすすめ商品を買ったり、レシピを見て作ったりすること。記事や情報を通じて、なんらか自分の生活に変化をもたらすことは少なくないですよね」。そう教えてくれたのはPR(広報)の三品さん。

オンラインメディアでは、記事が人々の間で「シェア」されることで、その記事に関心を持たない人たちにも知ってもらえることがエンゲージメントを高めることの一つの指標にもなる。

そのために、単なる情報発信で終わらせず、問いかけたり問答形式にしたりと、付加価値を生み出す工夫を施している。

 

メディアのこれから

最後に、変わり続ける現代社会において、今後のメディアとの付き合い方について聞いた。

伊藤さんは、今は先が読めないと話した。実際に専門家と技術の進化予想をしているが、その未来は窺い知れないものだという。だからこそ、いつどのように社会が変わっても、その都度メディアが対応できるように構えているのだと語る。

柔軟性と強い芯を併せ持つ環境から発信される、オンラインメディアBuzzFeed。メディアの未来にどのように影響するのか期待できる。

 

(古嶋凜子)